今回の記事は、
専業主婦(夫)の資産運用にiDeCo(イデコ)が向かない理由
に関しての記載になります。
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専業主婦(夫)が65歳から受給できる年金は非常に少なく、老後の生活は非常に心配になります。
年金額が少なくても夫婦であれば、夫婦の年金を合算することで生活は問題ありませんが、パートナーにもしものことがあった場合、老後の生活は非常に苦しいものになります。
その為、専業主婦(夫)でも若いうちから老後の為の資産運用を行うべきと考えます。
実際に専業主婦(夫)が、老後の資産運用に関して、いろいろと調べると
■iDeCo
で老後の資産運用を行うべきと言うものが出てきます。
その為、専業主婦(夫)がiDeCoで老後の資産運用を行う場合のメリットと注意点を以降に記載していきます。
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まず、iDeCoで老後の資産運用を行う場合、どのようなメリットがあるのかと言うと、
■掛金が全額所得控除
■運用益が非課税
■iDeCo引き出し時下記の控除が受けられる
・一時金:退職所得控除
・年金 :公的年金等控除
と言う3つのメリットがあげられます。
しかし、上記に記載されたメリットを専業主婦(夫)が全て恩恵を受けられるのかと言うと、iDeCo最大のメリットである
■掛金が全額所得控除
の恩恵は受けられません。
パートで103万円以上稼いでいる専業主婦(夫)ならば、多少、所得の控除がされますが、収入のない専業主婦(夫)は、まったく控除のメリットはありません。
「運用益が非課税」のメリットは受けられますが、iDeCoでなくても「つみたてNISA」でも恩恵は受けられます。
また、iDeCoで現金引き出し時、税金の控除を受けることが出来ます。
しかし、専業主婦(夫)は、退職金が存在しない、また、公的年金が少ない金額と判断できるので、ほぼ非課税で受け取れることが出来ます。
そもそもの考えなのですが、「自分で商品を決め」「運用を行ってきた」にもかかわらず、iDeCoを受取る時に税金がかかるのは、全く意味が分かりません。
退職所得控除や公的年金等控除が行なわれることをiDeCoのメリットだと言っていることが私には理解が出来ません。
iDeCoに関しては、まだまだ、注意をしなければいけない点があるので以降に記載していきます。
詳細は以降に記載します。
以降は目次です。
目 次
前回の記事
iDeCoに加入するメリット
上記でも記載しましたが、iDeCoのメリットは以下の3つになります。
■掛金が全額所得控除
■運用益が非課税
■現金引き出し時、控除が受けられる
それでは、上記に記載した3つのメリットがどのようメリットなのかを記載していきます。
■掛金が全額所得控除
iDeCoでの掛け金が全額所得控除の対象となります。
これは、厚生労働省の
パンフレットに記載がありますが、掛金が毎月1万円で、所得税(20%)・住民税(10%)の税率の場合、
年間36,000円が減税されます。
しかし、上記でも記載しましたが、専業主婦(夫)に関しては、「収入が少ない」ことを考えると所得控除の効果は、ほとんどないと考えて下さい。
以降に記載しますが、少額の減税が行われたとしても、iDeCoで運用を行うと以下に記載する手数料が掛かりますので少ない減税では意味が無いかもしれません。
以下にiDeCoで掛かる手数料の額を記載します。
■加入時:2,829円
■運用期間中
・積立て月:171円
・積立てない月:66円
■受け取り時:440円
続いて、iDeCoの掛け金に関しての記載を以下に記載します。
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iDeCoの掛け金に関しては、最低5千円/月から始められ掛け金の上限は公的年金の被保険者種別や勤め先(企業年金の加入状況)により異なります。
●第1号被保険者
掛け金の上限は、68,000円/月になります。
ただし国民年金基金の掛け金や付加保険料との合算になるので注意が必要です。
●第2号被保険者
掛け金の上限は、勤め先の企業によって変わります。
・12,000円/月:企業年金に加入
・12,000円/月:共済組合員
・20,000円/月:企業型確定拠出年金に加入
・23,000円/月:上記いずれも加入していない
●第3号被保険者
掛け金の上限は、23,000円/月になります。
■運用益が非課税
通常、金融商品などを運用する場合、運用益には20.315%の税金がかかります。
どれくらい税金がかかるのかと言えんば
Aと言う金融商品を売却した時に1万円の利益が出ていると2031円の税金がかかり、運用益としては、7,968円を受取ることが出来ます。
iDeCoでは、売却時に運用利益が出ていたとしても、20.315%の課税はかからず10,000円の運用益をそのまま受け取ることが出来ます。
しかし、運用益が非課税と言うメリットは、
●一般NISA
●つみたてNISA
でも使用できますので、「iDeCo」だけの特権ではありません。
■iDeCo引き出し時、控除が受けられる
iDeCoで現金を引き出すときに
●一時金:退職年金控除
●年金 :公的年金控除
の控除を受けることが出来ます。
上記でも記載しましたが、自分で商品を決め、リスクを背負い運用を行ってきたのにもかかわらず、現金を引き出すときに税金が採取されると言うことの意味が分かりません。
その税金に対して、「控除されるiDeCoはすごいメリットでしょ」と言っていること自体に意味が分かりません。
また、現金を引き出すときにも手数料が掛かります。
年金で引き出すときには、1回あたり440円の手数料が掛かりますので、運用益が出ていても手数料で元もこうも無くなる可能性がありますので注意して下さい。
専業主婦がiDeCoに加入に向かない理由
■全額控除のメリットが無い
専業主婦(夫)は、掛金に対する全額所得控除のメリットがほとんどありません。
パートなどで年間103万円以上稼いでいたとしても、大した控除にはならず、また、働いていない専業主婦(夫)ならば控除のメリットは全くありません。
■引き出し時、控除が受けられる
iDeCoのメリットである「現金を引き出すときの控除」があげられますが、専業主婦(夫)は、退職金もなく、月額に受給する年金も少ないので控除されなくてもほぼ非課税で受け取れます。
これが、専業主婦(夫)のメリットだと言われている方が多くいますが、何度も言いますが、
●自分で商品を決め
●リスクを背負い運用を行う
ことをしてきたのにお金を引き出すときに税金を採取される意味が分かりません。
このようなことがメリットだと言うのであれば、正直、引き出すときに税金が取られない「つみたてNISA」で運用する出来と考えます。
つみたてNISAは、運用が20年と言う縛りがある為、実際にお金を引き出そうとした場合、
●つみたてNISA → 特定口座など
に移管されてしまうケースがあります。
その為、特定口座などに移管され、売却時に運用益が出ている場合は、20.315%の課税がされます。
しかし、このような馬鹿げた税金を払うくらいであればiDeCoではなく「つみたてNISA」で運用を行うべきかもしれません。
■手数料が掛かる
まず、iDeCoでは、手数料が掛かります。
■加入時:2,829円
■運用期間中
・積立月:171円
・積立てない月:66円
■受け取り時:440円
いくら手数料を抑えたいとしてネット証券で口座を開いても、iDeCoで運用を行うと手数料が採取されます。
採取される手数料自体は、証券会社が採取しているのではなく、国民年金基金連合会が採取しています。
正直、この手数料は、運用期間や年金を受取る期間を考えるとかなりな金額になります。
掛け金に対しての全額控除がそれなりの金額になるのであれば、手数料はあまり気にしなくても良いかもしれません。
しかし、全額控除のメリットがほとんどない、専業主婦(夫)では手数料の取られ損です。
運用している商品が手数料以上の運用益が出なければ、iDeCoで運用している意味がありません。
また、お金を年金として引き出すときには、440円の手数料が掛かりますのでそれ以上の運用益を出していないと意味がありません。
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また、パンフレットにも小さな字で記載していますが、現在は「特別法人課税」は取られていませんが、いつ取られるかは分かりません。
正直、この「特別法人課税」は復活しないとは思いますが、いつ、復活するかは分かりませんので注意は必要です。
この「特別法人課税」に関しては、過去に記事を記載していますので確認してみて下さい。
■60歳まで引き出せない
これは、人それぞれの考えになりますが、iDeCoは現金を60歳まで引き出すことが出来ません。
これをメリットと言う方もいますが、デメリットと言う方もいます。
メリットと言う方は、長期運用で老後の資産運用なので60歳まで引き出せないことはメリットと言う方もいます。
また、デメリットと言う方は、いざと言う時にお金が引き出せないと言う方もいます。
正直、私としては、老後の為の資産運用と言うことはわかりますが、人生何が起きるか分かりません。
その為、60歳まで現金が引き出せないと言うことは、かなり、デメリットではないかと考えます。
その為、私としては、掛金が全額非課税などのメリットはありませんが、運用益が非課税となる
●つみたてNISA
で運用を行ったほうが良いのではないかと考えます。
専業主婦が老後の資産運用を行うのであれば
若いうちからの資産運用は非常に重要と考えますので、早いうちから資産運用の検討行うべきです。
専業主婦(夫)を限定にして言えば、老後の資産運用を行うのであれば、iDeCoはあまりお勧めしません。
上記にも記載してきましたが
●掛け金の非課税効果が薄い
●手数料が馬鹿らしい
と言うことが要因です。
また、60歳までお金を引き出せないと言う縛りは、どうなのかと私は思います。
これから、何が起きるか分かりません。
パートナーが倒れる、親の介護、子供の学費などで長い人生でお金を必要とするタイミングが出てきます。
その時にお金はあるけど、引き出せないと言うのであれば、あまり意味がありません。
その為、専業主婦(夫)の方が資産運用を行うのであれば
●つみたてNISA
が良いのではないかと考えます。
つみたてNISAは、年間40万円を積み立てられ20年間は運用益が非課税で運用ができます。
年間40万円なので月額にすれば、約3.3万円は掛け金として使用ができます。
私としては、「つみたてNISA」でも余剰金があるようであれば、iDeCoで資産運用を行えばよいのではないでしょうか。
最後に:専業主婦がiDeCoに向かない理由
どうでしょうか?
専業主婦(夫)の資産運用にiDeCo(イデコ)が向かない理由
に関して記載しました。
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これは私の私見になりますが、iDeCoで老後の資産運用を行うことは間違ってはいないと考えます。
上記でも記載しましたが、iDeCo最大のメリットである
●掛け金の全額所得控除
が行なわれるのであればiDeCoはお勧めです。
しかし、専業主婦(夫)のように、所得がそれほどない方は、掛け金の全額所得控除のメリットもなくiDeCoの手数料が大きくのしかかってくるだけです。
最低金額が5,000円からと言いますが、月額171円の手数料を考えれば、それなりの運用益が出ないと手数料の払い損です。
さらに、老後に年金としてお金を受取ろうとした場合、440円の手数料が掛かります。
その為、iDeCoの「掛け金の全額所得控除」のメリットも生かせず、馬鹿高い手数料を採取されるのであれば、iDeCoで運用するよりも
●つみたてNISA
で運用をすることをおすすめします。
iDeCoのように、長期間での運用は行えませんが、つみたてNISAでも20年間の長期運用が可能です。
そのことを考えれば、専業主婦(夫)の資産運用に関して言えば
●つみたてNISA
●iDeCo
の順で行えばよいと考えます。
また、専業主婦(夫)がiDeCoの運用を行う場合は、元本保証の定期預金などの商品は運用すべきではありません。
利息が大して付かないのにもかかわらず、手数料が大きくのしかかりますので商品を選ぶのであれば
●信託報酬の安いインデックスファンド
で運用を行うことをおすすめします。
皆さんは、どのように思いましたか?
コメントがあれば、よろしくお願いします。
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