専業主婦(第3号被保険者)は年金を納めていないのに年金を受取れるのは「ずるい」と言う話がSNSなどで聞こえてきます。
実際に、専業主婦(夫)の年金に関しては、会社員である旦那さんに扶養されている専業主婦は国民年金を納めていませんが、65歳から老齢基礎年金を受給することができます。
そのため、「年金の財源が枯渇している」「女性の社会進出の妨げになっている」と言われており、専業主婦(夫)を優遇する第3号被保険者制度は廃止すべきと言う声が上がっています。
それでは、実際に、第3号被保険者である専業主婦は、年金をただで受給する「ずるい」人達なのかを以下に見ていきます。
詳細は、以下に記載します。
以降は目次です。
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目 次
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専業主婦は年金を納めていないからずるい?
専業主婦の年金事情を考えた場合、第3号被保険者である専業主婦(夫)は、国民年金を納めていません(納める必要がない)が、65歳になると老齢基礎年金を受給できます。
そのため、年金保険料を納めていないのに年金を受給できる専業主婦(夫)は「ずるい」と自営業の主婦(第1号被保険者)から言われることがあります。
さらに、「国民年金の財源が枯渇している」のは、専業主婦が年金保険料を納めていないからと言う意見もありますが、これは間違った意見になります。
まず、専業主婦(夫)の年金保険料は、会社員や公務員が加入している厚生年金から保険料が納められます。
そのため、専業主婦(夫)が保険料を納めないために国民年金の財源が枯渇していると言うのは誤りです。
国民年金の保険料が枯渇しているのは、高齢化が進むことで納められる保険料と支払われる老齢基礎年金額が逆転しているためであり、専業主婦(夫)は関係ありません。
そのため、自営業の主婦から専業主婦(夫)が年金を納めていないため「ずるい」と言う話は誤りになります。
しかし、専業主婦の年金保険料は、会社員が加入している厚生年金から納められています。
そのため、フルタイムで働く共働き世帯や独身世帯からは、なぜ、専業主婦の保険料を私たちが肩代わりしなければいけないのかと言う話になります。
そんなことならば、保険料を下げてくれと言う話になってきます。
専業主婦の年金は会社員や公務員が加入する厚生年金から納められている。そのため、専業主婦のために国民年金の財源が枯渇しているのは誤り。国民年金が枯渇しているのは、高齢化が進んでいるため。
しかし、フルタイムで働く共働き世帯や独身世帯からは、なぜ、我々が、専業主婦の面倒を見なければいけないのかと言う不公平感は生まれてくる。
社会保険は助け合いの精神
社会保険に関して言えば、保険と言う考え方になるので、助け合いの制度でもあります。
働けなくなった方を保障をする制度です。
そのため、単純に専業主婦に対して後ろ指を立てるのは問題だと考えます。
実際に専業主婦の中でも
■子供の育児
■親の介護
■体が弱い
ため、働けない方もいることは事実であり、全ての専業主婦を纏めて「ずるい」と言う考えは間違っていると考えます。
しかし、すべての専業主婦(第3号被保険者)が、働きたくても働けないわけでもありません。
実際に、第3号被保険者の大半は女性であり、また、旦那さんの収入が多ければ多いいほど、無職の専業主婦が増加しているのも事実です。
上記のことを考えると、保険料を納めることができる世帯は、国民年金を「納めるべき」と言う話がでてきているのも事実です。
実際に無職の専業主婦世帯に対しては、
■配偶者が平均所得を超えている場合は保険の負担をしていただく
■免除者と同等の扱いとなり国庫負担総統の2分の1の給付※
※将来受給する年金額が半額(保険料を拠出した期間は満額)
と言う意見も出てきており、今後、無職の専業主婦世帯でも保険料を納めると言うことになるかもしれません。
世帯別でみた場合、専業主婦はずるくない?
共働き世帯と専業主婦世帯を年収で比較した場合、厚生年金などの保険料はいくら納められているのかを見ていきます。
実際に、年収800万円の専業主婦世帯と800万円のフルタイムで働く共働き世帯で納める社会保険料を考えた場合、
■納める社会保険は変わらない
ことになります。
しかし、所得税の場合は、累進課税制度(所得の多い人には税金が多く、所得が少ない人にはそれなりの税金が採取される制度)が採用されているため、
■年収が800万円の専業主婦世帯(旦那さんのみの稼ぎ)
■世帯年収800万円(年収が400万円の旦那さんと奥さんの場合)
で考えた場合、専業主婦世帯の方が納める税金は高くなります。
そのため、世帯別でみた場合、第3号被保険者である専業主婦が年金保険料を納めていなくても、社会保険の負担は変わらず、所得税は専業主婦世帯の方が負担は大きく、専業主婦世帯が得をしていると言うことにはなりません。
税金だけを考えれば、共働き世帯の方が得をしていることになります。
しかし、専業主婦世帯は、
■配偶者控除、配偶者特別控除
■勤め先によっては家族手当が支給
されている場合があり、単純に専業主婦世帯が損をしているのかと言うそうでもありません。そもそも、遺族年金を考慮すると、専業主婦は得をします。
共働き世帯と専業主婦世帯で世帯年収が同じ場合は、所得税の納める金額で「得をする」「得をしない」と言う話はありますが、独身世帯からすれば、そんなことよりも
■保険料を安くしろ
と言いたくなります。
第3号被保険者は年々減少しているがパート主婦は増加
まず、1985年から2021年度を比較した場合、
■雇用者の共働き世帯は増加
(+63.1%)
していることが分かります。
しかし、フルタイムで働く共働き世帯の増加は横這い(+5.7%)の状態であり、週35時間以内で働くパート主婦の方が170.6%と増加していることが分かります。
また、週の労働時間を比較すると週20時間以下で働くパート主婦が全体の50%を超えており、短時間労働を希望する専業主婦が多いことが分かります。
そのため、共働き世帯が年々増加している状態ではありますが、共働き世帯のほとんどがパート主婦(短時間労働者)であることが分かります。
共働き世帯が増えたと言う話は聞きますが、実際は、フルタイムで働く共働き世帯の増加率は少なく、短時間労働のパート主婦が増加していることが分かります。
今後の専業主婦はどうなる?
2023.4時点での社会保障上の専業主婦(第3号被保険者)に関しては、以下の条件で働いている場合は、年収制限が106万円※までとなります。
※106万円の中には残業代や手当は含まない金額になるので注意が必要です。
①従業員101人以上(2024.10:51人以上)の企業に勤務している人
②勤務時間が週20時間以上
③1カ月の賃金が8.8万円以上(106万円以上)を除く
④雇用期間が2か月超見込みの人
⑤学生を除く
上記条件を満たさない場合、年収は130万円以下であれば、第3号被保険者となりますが、年収130万円以上を超えた場合は、第2号被保険者となることになります。
しかし、現在の政府では、全世代型社会保障改革にて、すべての全労働者を社会保険に加入させることを検討しており社会保障加入条件を変更することが予定されています。
●社会保険の加入条件の見直し
まず、社会保険の加入条件の見直しとして「①企業要件(従業員数)の撤廃」と「②勤務時間の要件の撤廃」が検討されています。
そのため、大半のパート主婦は、年収106万円以下となることになります。
また、「③1カ月の賃金が8.8万円以上」についても、8.8万円→5.8万円に変更を行うことが検討されており、年収制限が70万円以下になるものと考えられます。
さらに、「④雇用期間が2か月超見込みの人」「⑤学生を除く」の条件も廃止が検討されており、短時間でも働けば、社会保険に加入しなければいけない時代が来るのかもしれません。
そのため、パートで働くことを検討した場合でも、厚生年金に加入することになることになります。
それでは、無職の専業主婦であれば、現状の第3号被保険者でいられるのかと言うと、そうでもなく、
■無職の主婦は、旦那さんの年収が平均年収以上であれば、年金を納めていただく
■年金が納められない場合、免除者と同等の扱いとなり国庫負担総統の2分の1の給付
に変更することが検討されています。
そのため、いつまでも現状の第3号被保険者制度があると考えては痛い思いをするのかもしれません。
第3号被保険者である専業主婦はずるい?
なんだかんだ言っても保険料を納めていないのに老齢基礎年金を受取れることに関して、「ずるい」と考える方が多数いることは事実です。(納めていないこと自体が問題と考える人もいます)
専業主婦に関しては
■子供の育児や親の介護が必要
■病弱体質
などの要因から働くことができない方もいます。
しかし、一部の専業主婦に関しては、
■旦那さんの収入がある程度あり働く必要がない
と言う方がいるのも事実です。
上記の専業主婦を全て同じくくりに考えて、専業主婦は「ずるい」と考えてしまうことは問題なのかもしれません。
これは、私の考えになりますが、働きたくても働けない方に対して
■無理してでも働き税金を納めろ
と言う考えは良くなく、また、収入が少ない世帯の専業主婦に対して、年金を納めることができないのであれば、
■免除者と同等の扱いとなり国庫負担総統の2分の1の給付
になると言うのもいかがなものかと思います。
そもそも、社会保険は、困っている人を社会全体で助け合うと言う考えであるため、今の第3号被保険者制度に関して、問題がないのであれば、続けていくべきと考えます。
しかし、世帯年収で見た場合、
■専業主婦の保険料を支払っても生活に支障がない世帯
に関しては、保険料を納めると言う考えでも問題はないと考えますが、高所得世帯に対しては、ただの増税になるため、働く人が馬鹿を見る制度だけにはしてほしくはありません。
住民税非課税世帯にお金をばらまく政策をしていますが、税金をちゃんと納めている人には何もしてあげないと言う考えでは納得できません。
「税金を納める人」「納められない人」に対しても、平等な制度にしてもらいたいものです。
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