今回の記事は、
年金繰下げ支給はやめるべきか?|損益分岐点と平均寿命、健康寿命の考え方は?
に関しての記載になります。
年金の繰下げ支給ですが、テレビの報道で「70歳まで年金を繰下げた場合42%の増額される」と言う聞こえのいい報道がされています。
実際に年金の繰下げ支給は、本来受給できる年齢(65歳)を繰下げる(受給しない)ことで、年金受給額が増える素晴らしい考えです。
5年間年金の支給を待っただけで42%も増額される保険など個人の保険などでは存在しません。
また、年金の増額分は、1ヵ月繰下げるごとに0.7%増額され、70歳まで繰下げると42%増加、75歳まで増加させた場合、84%もの年金が増加することになります。
しかし、本来受給できる年金の支給開始年齢を遅らせる為、年金を受給できない期間は、どのような収入源を確保するかは考える必要があります。
それでは、年金を受給できない期間の収入をどうにかしてまで年金の繰下げ支給を行うべきなのかに関しては、人それぞれの価値観があるので何とも言えませんが
■長生きしたい
■老後にお金で苦労したくない
■年金はたくさん受給したい
■子供に迷惑を掛けたくない
と言う考えであれば、年金の繰下げ支給は検討するべきものと考えます。
しかし、
■子供もいない為、財産を残す必要もない
■そこまで長生きしたいとは考えていない
■何とか生きていければよい
と考えているのであれば、本来受給できる年金を受給せずに年金を繰下げる必要はないと考えます。
それでは、以降に、年金を実際に繰下げた場合、
■本来受給できる金額よりも多くなる年齢(損益分岐点)は何歳になるのか?
■平均寿命や中央値を考えた場合、何歳まで受給できるのか
を見ていきます。
しかし、実際に老後の生活を考えた場合、平均寿命で物事を考えるのも良いのですが、健康寿命と言うものを考える必要があります。
平均寿命、健康寿命を考え本当に年金の繰下げ支給が得をするのかを以降に記載していきます。
詳細は以下の通りです。
以降は目次です。
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目 次
前回の記事
年金繰下げ支給での損益分岐点は?
それでは、年金を65歳から「10万円受給」できる方が繰下げ支給を75歳まで行った場合の損益分岐点を下記の図にまとめてみました。
損益分岐点は、下記の図の緑の枠(赤字の金額)にある年齢となります。
年金を1年繰下げた場合、77歳~86歳までの間が本来受給できる年金額との差額がプラスになります。
実際に70歳まで繰下げた場合、81歳以降で本来受給できる金額がプラスとなり、75歳までの場合は、86歳以降でプラスになります。
以降に記載しますが2020年度の男女別の平均寿命は、
となり男性だけを見れば、損益分岐点を迎える前に平均寿命を超えている場合が多く本当に得をするのかは疑問を感じます。
それでは、以降に、年金繰下げ支給を行う場合、誰が得をするのかを見ていきます。
年金繰下げ支給は誰が得する?
まず、年金の繰下げに関しては、平均寿命と中央値だけを考えた場合、男性が繰下げ支給を行うよりも女性が行うべき制度ではないかと考えます。
下記に日本人の平均寿命と寿命中位数(中央値)の推移を以下に記載します。
令和2年では、男性の平均寿命:81.64歳、女性:87.74歳であり、平均寿命での年齢差は6.1歳となり、男性よりも女性の方が長生きします。
さらに寿命中位数(中央値)を見ても5.95歳の差があり、女性が長生きすると言うデータが出ています。
また、男性と女性では、受給できる年金額も異なり、女性の方が少ないと言うデータが出ています。
2020年度:年金平均受給額
■国民年金(老齢基礎年金)
男性:59,040円
女性:54,112円
■厚生年金(老齢厚生年金)
男性:164,742円
女性:103,808円
その為、年金受給額を増額されると言う考えであれば、男性よりも女性の年金額をどのように増やすべきか考えるべきです。
また、年金繰下げ支給を行った場合の支給額と男女別の平均寿命と中央値を下記の図でしまします。
※損益分岐点は、緑の枠(赤文字の金額)で記載しています
上記の図から分かるように、平均寿命と年金受給額の損益分岐点を考えると男性は受給する額では得をせず、女性の方が得をすることが分かります。
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しかし、日本人の平均寿命は右肩上がりに上昇していることを考えると女性だけが得をすると言う考えは間違っているのかもしれません。
男性の方でも自分は平均寿命や中央値よりも長生きできると言う自信があるのであれば、年金繰下げ支給を行って行っても問題ないのかもしれません。
平均寿命よりも健康寿命を考慮する
上記までに平均寿命や中央値、年金繰下げ支給を行った時の損益分岐点に関しての記載を行ってきましたが、実際に、老後を考えるのであれば、平均寿命を考えるよりも
■健康寿命
を考えるべきです。
■健康寿命とは
日常的に支障がない生活(健康的な生活)が送れる年齢
厚生労働省は、2021.12.20に2019年度の健康寿命を
であると公開されました。
上記の健康寿命を考慮すると年金をたくさん受給できたとしても日常生活に支障をきたしてしまっては意味がないのかもしれません。
年金を受給できない期間の運用方法
それでは、年金繰下げ支給を行う場合、年金が受給できない期間の運用方法を記載してみます。
まずは、年金を受給する前までにつみたてNISAやiDeCo(イデコ)にて資産運用を行ってください。
運用した資金を年金が受給できない期間の収入源として使用します。
仮に年金が支給されない期間に月額10万円を収入源として確保したい場合は、年金を繰下げる期間が5年の場合、貯蓄しておくべき金額は600万円(120万円×5年)となります。
また、75歳まで年金の繰下げを行うのであれば、1,200万円を貯蓄しておく必要があります。
その為、どこまで貯蓄を行うかでつみたてNISAやiDeCo(イデコ)での貯蓄額が変わってきますので検討してみて下さい。
つみたてNISAの年間の限度額である40万円をトータルリーンが5%の商品で運用を行った場合、20年間運用を行うと
■約1,300万円
の資産を運用することが出来ます。
上記は単純に5%の利回りで運用が行われていた場合で計算していますので必ず、上位の金額になるわけではないことはご理解ください。
老後はお金を使い切る
続いて、老後のお金についてですが、現金を残しておいてもお墓には持っていけません。
どれだけ頑張って節約し、年金の繰下げ支給で年金額を増やしたとしても、使い切らなければ全く意味がありません。
奥さんや子供に迷惑を掛けたくないと言う考えはわかりますが、たくさんの現銀を残すと相続の問題で家族仲が悪くなる可能性もあります。
また、子供の為にお金を残しておくのも良いですが、たくさんの現金は人をダメにする可能性があります。
その為、奥さんや子供に現金を残すのであれば、迷惑を掛けない程度(お葬式代や奥さんの生活費など)にとどめるべきと私は考えます。
最後に:年金繰下げ支給はやめるべき?
どうでしょうか?
年金繰下げ支給はやめるべきか?|損益分岐点と平均寿命、健康寿命の考え方は?
に関して記載しました。
年金の繰下げ支給を行うことで将来受給できる年金額は増加します。
しかし、日本人の平均寿命や中央値を確認すると男性は、年金を繰下げたとしてもメリットはなく、女性は平均寿命や中央値が高い為、繰下げ支給のメリットがあると考えます。
女性は、必ず、年金繰下げ支給を行うことで年金額を増やした方が良いのかと言うとそうでもありません。
世の中では、健康寿命(日常的に支障がない生活(健康的な生活)が送れる年齢)と言う考えもあり、年金をたくさん受給できたからと言って健康的に増額した年金を使えなければ全く意味がありません。
しかし、男性と女性の平均寿命・中央値を考えた場合、女性の方が
■5年~6年は長生きする
と言うデータが出ている為、女性が受給できる年金額は増額できるのであれば増額をするべきであると考えます。
現金は、確かにあったほうが良いのは確かではありますが、亡くなってしまっては意味がありません。
その為、自分の死後に迷惑を掛けない程度(お葬式など)の現金を残す程度で、あとは自分が優雅に暮らせるように使ってください。
たくさんの現金や土地などを子供に贈与したとしても適切に使用してくれるのであればいいのですが、ろくなことに使われなければ残しておいたことが悔やまれるだけです。
そのことを考え、将来受給できる年金は繰下げて増やすべきか、そのまま受給するべきかゆっくりと考えて答えを出してください。
年金を繰下げる繰下げないは別としても、若いうちからの資産運用は必要ですので、今のうちからつみたてNISAやiDeCo(イデコ)は実施しても問題ないと考えます。
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