今回の記事は、
老後に受給できる年金の平均額は14万円|ゆとりある老後は可能?【年金】
に関しての記載になります。
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まず、老後の年金額を記載する前に、年金の種類と階層を簡単に記載します。
上記の図のように年金の種類は、国民年金と厚生年金の2種類に分類されます。
また、国民年金のみを受給できる方は、
■第1号被保険者(自営業とフリーランスなど)
■第3号被保険者(専業主婦(夫))
となり、65歳から受給できる年金は老齢基礎年金を受給できます。
また、厚生年金を受給できる第2号被保険者(会社員)に分かれ、厚生年金加入者は、65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給することが出来ます。
上記の記載から第1号被保険者と第3号被保険者は、老齢基礎年金のみを受給する為、65歳からの年金受給額は少ない金額※になります。
※未納期間が無い場合は、月額約6.5万円
しかし、会社員である第2号被保険者は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できるため、年金額は自営業の方より受給額が多くなります。
その分、会社員の方は、納める保険料が多くなる傾向となります。
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それでは、令和元年のデータになりますが、国民年金のみの年金を受給する方の平均受給額は、
■55,946円
となっています。
また、厚生年金を受給する方の平均年金額は、
■144,268円
となっています。
その為、今回タイトルで記載した年金額は、あくまでも会社員である厚生年金加入者の平均年金額となります。
また、厚生年金加入者である会社員も全てが約14万円の年金を受給できるわけでもなく
■男性:164,770円
■女性:103,159円
と言う受給額となっています。
正直、老後の生活で、賃貸か持ち家かで生活スタイルが変わると思われますが、独身男性の方は、何とか生活が出来ても独身の女性だけでは生活は困難なのではないでしょうか。
その為、老後に「ゆとりのある生活」が可能かと言う年金だけでは、とても厳しいのが現実かもしれません。
それでは、老後にゆとりのある生活を送る為にはどれくらいの資金が必要なのかを記載していきます。
詳細は以降に記載します。
以降は目次です。
目 次
前回の記事
会社員の平均年金額は?
会社員の方が加入している厚生年金ですが上記にも記載しましたが老後に受給できる年金額は、
■約14万円
を月額に受給することが出来ます。
それでは、厚生年金受給者がどれくらいの年金額を受給しているのかと言うと下記のグラフの通りです。
上記のグラフから最頻値は9~10万円を受給している方が多いことが分かります。
その為、会社員の方が、老後に月額14万円の年金を受給できると言うわけでもありません。
それでは、男女別の年金額はどうなっているのかと言えば
■男性:164,770円
■女性:103,159円
と言う金額であり、老後に受給できる年金額は、女性の金額が少ないことが分かります。
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会社員が将来受給できる年金額に関して言えば、現役世代に収める厚生年金の保険料をたくさん納めていれば老後に受給できる年金が多くなります。
当然のことになりますが、会社員の方が下記の場合は、将来受給できる年金額は少ない金額になります。
■収める金額が少ない
■厚生年金の加入期間が短い
なにが言いたいのかと言えば令和元年で言う日本の平均年収と仮に平均年収額を40年続けた場合に受給できるおおよその年金額を以下にまとめてみました。
区分 |
平均年収 (万円) |
おおよその年金額 (月額:万円) |
平均 |
436万円 |
14万円 |
男性 |
540万円 |
16万円 |
女性 |
296万円 |
11万円 |
正規 |
503万円 |
15万円 |
非正規 |
175万円 |
9万円 |
上記の年金額は、あくまでのおおよその年金額を出しているだけですので、正式に自分が受給できる年金額を知りたいのであれば、
■日本年金機構で年金見込額試算
■誕生月に送付される年金定期便
で確認してみて下さい。
それにしても、年金だけで老後に「ゆとりのある生活」を送ろうとすると非常に厳しいです。
ゆとりのある老後の生活費は?
それでは、老後の「ゆとりのある生活費」に関しては、「公営財団法人 生命保険文化センターにて2019年(令和元年)の意識調査」のデータから
■36.1万円
と言う金額が公開されています。
この金額は高齢の夫婦がゆとりのある生活をする為にはいくら必要かと言う金額です。
正直、共働きの夫婦でも令和元年の老齢厚生年金額の男性:約16万円と女性:約10万円を合算しても
■26万円
と言う金額を考えると、この「ゆとりのある生活」で言う36.1万円と言う金額が現実的な金額でないことが分かります。
また、専業主婦の夫婦では、男性:約16万円と女性:約6.5万円(国民年金の満額)を合算すると
■22.5万円
となり、こちらも「ゆとりのある老後生活」を送る為には、下記の金額が不足することになります。
■共働き夫婦で「6.1万円」
■専業主婦の夫婦で「13.6万円」
その為、年金のみで「ゆとりのある生活」を送ろうとするとある程度まとまった資産が無いと非常に厳しいことが分かります。
上記金額を、30年間(95歳)確保するためには
■共働き夫婦で約2.2千万円
■専業主婦の夫婦で4.9千万円
が必要になります。
上記の金額を退職金などで賄えるのかは疑問です。
年金のみで生活は可能?
次に、受給できる年金のみで老後の生活が可能なのかに関して記載してみます。
まずは、高齢単身者家計収支を見ると
引用:家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要
収入から7,723円が不足していることが分かります。
しかし、上記の収入は、2020年ですのでコロナ対策で一人10万円を支給されている金額も含まれているので注意して下さい。
また、高齢夫婦の家計収支を見ると
引用:家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要
1,111円の黒字となっていますが、こちらもコロナ対策で一人10万円を支給されている金額も含まれているので注意して下さい。
要するにコロナ対策で夫婦に+20万円の収入があったため、黒字となっているだけです。
また、消費の金額も前年と比べれば、余暇や娯楽などの金額も減っていると言うことは忘れないで下さい。
その為、夫婦でも年金だけで暮らせるのかと言えば、共働き夫婦の方がやっと生活が行なえ、専業主婦の夫婦では毎月赤字が出ると言うことは忘れてはいけません。
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要するに上記の結果から年金だけで老後の生活が行なえるのは
■共働き夫婦
のみと言うことになります。
しかし、日本人の5人に4人は退職金を受給することが出来ます。
また、勤めている企業によっては、下記の年金を受給できる方もいます。
■企業年金
■確定拠出年金
その為、全ての方が年金のみで生活が送れないのかと言うとそうではありません。
しかし、「ゆとりのある生活」に関しては、ごく少数の方が年金だけで生活が可能なのかもしれません。
最後に:ゆとりある老後は可能?
どうでしょうか?
老後に受給できる年金の平均額は14万円|ゆとりある老後は可能?
に関して記載しました。
老後2,000万円問題があったため、年金のみで生活は非常に厳しいと言うことは分かっていたのではないでしょうか。
その為、老後に「ゆとりある生活」を送ると言うことは非常に厳しい状況と言うことも理解していたのかもしれません。
しかし、「ゆとりのある生活」を単純に諦めてしまうのではなく、何ら頭の準備を行えば老後の生活も厳しい状況ではなくなってきます。
老後の生活費が年金のみで不足すると言うのであれば、今のうちから
■つみたてNISA
■iDeCo(イデコ)
などで資産運用を行えばよいと考えます。
「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ)」は長期での積立になりますので、長い時間をかければかけるほど、資産は成長をしていきます。
確かに「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ)」は投資になるので、元本割れを起こすリスクはありますが、長期的に考えれば銀行の金利よりかはましです。
その為、将来を落胆せずに資産運用を行って行ければ良いはずです。
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年金は危ないと考えている方が多くいるのも事実ですが、実際は、我々から集めている保険料や税金で年金は問題なく運営できています。
また、年金の積み立ては、2021年の第1四半期では
■約191兆円
の金額で運用を行っており、市場運用開始以降、収益率は+3.70%の成績を残せており、当面は問題なく運用が行われて行けるのかもしれません。
今後の少子高齢化次第では、運用方法や年金の台所事情も変わってくるかもしれませんが今のところは問題なさそうです。
2025年から厚生年金の支給額を減らすような怖い話が出ているようですが。。。
皆さんは、どのように思いましたか?
コメントがあれば、よろしくお願いします。
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