2023/7/10にTwitter上で、「生活保護廃止」「年金廃止」「ベーシックインカム」が話題になっていました。
この内容は、2020年に元経済財政担当相でパソナグループ会長の竹中平蔵氏が
■7万円(月額)を支給する代わりに生活保護も年金も必要なくなる
と言う話を報道番組で行い「ベーシックインカム」と言う話題が上がりました。
ベーシックインカムは、生きていくのに最低限必要なお金を配る制度であり、国民が働かなくても最低限の生活が送れると言う考えになります。
この発言を聞いた方たちは、
■お前が月:7万円で生活してみろ
■今まで収めた年金返せ
などで話題になりました。
実際に7万円で生活が可能かは置いておき、実際に年金を廃止にしろとは言うけれど、本当に年金が廃止になったらどうなるのかを考えていきたいと思います。
実際に、「年金を廃止にしろ」と言う考えの主張の方は
■年金制度は破綻する
■年金を納めても元が取れない
と言う主張が多いのかもしれません。
実際に年金制度が廃止した場合、どのようなことが起きるのかを考えてみて下さい。
まずは、年金制度が廃止になった場合、高齢者の収入源である年金が廃止になるので、高齢者の生活がままならなくなります。
そのため、高齢者の生活が維持できなくなり、生活保護が増加し、日本の財源確保が厳しくなります。
竹中平蔵氏の提案では、生活保護と年金制度を廃止にすることで、国民すべてにベーシックインカム(月:7万円)を配ることで、最低限の生活を送れると言う考えです。
しかし、今まで年金を納めていた人にはたまったものではありません。
今まで、生活保護や年金で生活をしている人がベーシックインカムで生活が出来るか不明であり、生活を行う上での重要なセーフティネットである
■生活保護
■年金制度
を廃止にするべきではなく、今後とも維持をしていかなければいけない制度と考えます。
それでは以降に、年金を廃止にしろと言う主張の方がどれほど間違っているのかを以降に記載します。
|
お金は寝かせて増やしなさい
将来受給できる年金額が少ないと感じているのであれば投資信託のインデックス投資を検討してみては!
本のタイトル通りですが、「お金は寝かせて増やす」素晴らしい言葉です。
|
また、話は変わりますが、年金と言う制度は、65歳から受給できる老齢年金だけが注目を浴びますが、我々の年金には、
■ 遺族年金
■ 障害年金
も含まれます。
そのため、「遺族年金」「障害年金」を含めた年金制度であると言うことを考え、廃止すべきではないと考えます。
病気やケガで生活するのが厳しくなってしまった場合、夫婦が亡くなってしまった場合に保障していただける素晴らしい制度を以降に記載していきます。
詳細は以降に記載します。
以降は目次です。
目 次
前回の記事
年金を廃止してはいけない理由
まず、簡単なところになりますが、
年金を廃止してはいけない理由について記載します。
上記にも記載してきましたが、65歳を過ぎた高齢の大半は、年金のみで生活しております。
そのため、高齢者の収入減である年金制度が廃止した場合
■高齢者の生活が困窮
■高齢者の生活保護が増加
すると考えられます。
月7万円をベーシックインカムで配るとはいえ、7万円のみで生活できる高齢者も少なく、高齢者の生活保護が増加し、日本の財源が圧迫するのが目に見えています。
また、年金制度に関しては、どうしても老齢年金に目が向けられますが
■ 夫婦が亡くなった場合の遺族年金
■ 病気やケガをした場合の遺族年金
の制度もあります。
そのため、病気や亡くなってしまった場合の最低限の生活保障は重要であり、年金制度はただ単純に廃止すればいいものではないと考えます。
老後の年金やケガや病気、死亡などの保障を個人が加入する保険で賄おうとした場合、月額1.65万円(国民年金保険料)で運用ができるわけありません。
そのことは、よく肝に銘じておく必要があります。
年金を払わない人が大勢いる?
テレビなどの報道番組でよく見ますが年金未納者が大勢いると言う内容を耳にします。
平成30年のデータになりますが、
■ 年金納付者:68.1%
■ 年金未納者:31.9%
と言う数値だけのデータを見ると非常に年金を納めるのが馬鹿らしくなりますが、この数値は、あくまでも国民年金の納付率になります。
私たちが納める年金制度は、下記の通りであり、あくまでも第1号被保険者の国民年金の納付率になると言うことは忘れてはいけません。
■ 第1号被保険者:自営業やフリーランス
■ 第2号被保険者:会社員や公務員
■ 第3号被保険者:第2号被保険者の専業主婦
そのため、H30年の年金未納者:31.9%とありますが、あくまでも上記の図で言う第1号被保険者のことのみです。
第2号被保険者である会社員は、給与から年金保険料を徴収されていますし、第3号被保険者の年金保険料は、第2号被保険者が加入する厚生年金から納められています。
そのため、第2号被保険者と第3号被保険者の保険料の納付は100%となり、実質年金を納めていないと言う未納者は、第1号被保険者のみとなります。
それでは、実際に、第1号被保険者~第3号被保険者の対象者はどれくらいになるかと言うと
■ 第1号被保険者:1,470万人
■ 第2号被保険者:4,428万人
■ 第3号被保険者:847万人
になり、合計すると6,745万人になります。
そして、この中で年金の未納者は、712万人となるので、実際の割合は、11%と少ない数値(約10人に1人の割合)になります。
また、この年金未納者の中には
■大学生
■収入が少なく年金を免除
されている人も含まれ、その免除者を対象から外すと対象者:138万人となります。
そのため、実際の年金未納者は、138万人となり、6,745万人から考えると実質2%が未納者と言うことになります。(100人いたら年金未納者が2人と言う考えです)
そのことを考えると、実際の年金未納者はさほどいないことが分かります。
この数値を踏まえて、年金を納めない方が大勢いるから「私も納めない」と言っていると将来「私だけ年金をもらっていない」と言うことになりかねません。
そのため、テレビの報道を鵜呑みにせず、この数値は何を言っている数値なのかを理解してから行動するべきと考えます。
ポイント
・年金を納めていない人は、全体で2%のみ
年金制度は崩壊しない
次に、年金制度が崩壊しない理由に関して記載します。
私たちが納めている年金は、「賦課方式」を採用されていますので、年金を納めている方がいる限り廃止はありません。
要するに私たちが納めている年金保険料は、貯蓄や運用など、ほとんどされずに高齢者のもとへ手渡されます。
なお、私たちが納めた年金で不足する分は、採取されている税金から賄われています。
そのため、収入源(私たちが納める年金や税金)が少なくなれば、高齢者へ支払う年金額は減額されるだけになります。
また、上記でも記載しましたが年金が廃止になれば、高齢者の生活保護が増えてしまい、日本の財政が圧迫してしまうため、年金制度は廃止されないものと考えます。
ベーシックインカムと言う考えもありますが、最低限の生活費など人それぞれなので生活できる人と生活が出来ない人の2極化されるだけかもしれません。
ポイント
・年金は、「賦課方式」を採用
・将来受給する年金が減額されることはある
・廃止されると高齢者の生活保護が増加し財政が圧迫
年金保険料は長生きするほど元が取れる
年金では元が取れないから自分で運用をしたほうが良いという方がいますが間違えです。
国民年金だけを考えますが
我々は、国民年金の保険料を月額約1.65万円: 480ヶ月間(20歳~60歳)納めることになります。
トータルの金額は、約792万円を納めます。
実際に65歳からは月額約6.5万円を受取ることになり、75歳(10年間)になるころは780万円を受取ることができ、長生きすればするほど、年金で元が取れることになります。
しかし、会社員などが加入している厚生年金は、国民年金よりも受給する金額は多くなりますが、元を取ろうとするとかなり長生きしないといけないかもしれません。
ポイント
・国民年金は約10年以上年金を受取ると元が取れます
・厚生年金はかなり長生きしないと元は取れません
最後に:年金を廃止しろと言うけれど
どうでしょうか?
年金を廃止しろと言うけれど|本当に廃止されたら?
に関して記載しました。
年金を廃止にしろと言う方がいらっしゃいますが、実際に廃止された場合は、高齢者が路頭に迷うだけです(ベーシックインカムも同様です)。
年金制度が廃止になれば、体が動く限りは一生働かなければいけなくなります。
さらに、高齢者の収入がなくなれば、生活が苦しくなり、生活保護が増加し、日本の財政は圧迫されます。
そのため、日本の年金制度は、廃止されることはないが、今後の少子高齢化を考えると将来受給できる年金額は減額されると考えます。
しかし、年金保険料は、ほとんどの方が納めており、年金未納者は全体の2%くらいであると言うことは理解していた方が良いです(100人に2人)。
また、第3号被保険者である専業主婦(夫)は、「年金納めてないのに何で65歳から年金うけとれるの?」受取るのなどと言われますが、決して未納ではありませんので安心して下さい。
さらに、年金は元が取れないと言いますが、国民年金を例にとれば、
■10年以上長生きすれば元が取れる
素晴らしい年金制度です。
さらに年金制度には
■ 夫婦が亡くなった場合の遺族年金
■ 病気やケガをした場合の遺族年金
と言う制度もあり、このことを考えるだけでも素晴らしい社会保障と考えます。
このような保険を個人で加入した場合は、一体いくら保険料を納めればいいのか分かったものではありません。
上記の事を踏まえれば、年金と言う制度は、非常に素晴らしい制度であり、今後も継続し維持していただきたい制度と考えます。
皆さんは、どのように思いましたか?
コメントがあれば、よろしくお願いします。
ブログランキングに参加しています。
記事の内容に好感を持っていただけましたら、クリックをお願いします。
BLOG RANKING
記事:
はっぴー@happyoldage
趣味で始めたFPの資格取得からブログを書き始めました。
記事の内容に関しては、うそを記述しているつもりはありませんがこれはなどの話があれば、コメントをください。
皆さんの幸せのお手伝いができれば幸いです。
本記事は、2023.7.13で、一部記載内容を更新しています。
- 関連記事
-
コメント