今回の記事の内容は、
夫が亡くなった場合の遺族年金はいくらもらえるのか
を記載します。
まずは、男性と女性ですが、どちらが長生きするかご存知ですか?
これは良く知られている話ですが
答えは、女性です。
それでは、日本人の平均寿命はどれくらいなのか?
日本人の平均寿命に関しては、厚生労働省が2019年のデータを公表しているのでこの数値を使います。
・男性:81.25歳
・女性:87.32歳
と言う平均寿命になっており、女性の方が男性よりも6年も長生きすることが分かります。
旦那さんが亡くなり、奥さんだけになった場合、旦那さんの年金受給額がなくなり収入がぐっと下がります。
仮に奥さんが専業主婦であった場合、老後の年金は国民年金のみであり、受給できる金額は少なくなりかなり厳しいものになるのではないでしょうか。
その時、是非、知っておきたい制度が、遺族年金制度です。
以降、遺族年金に関しての記載をしていきます。
しかし、遺族年金には、2種類ありますので自分がどの遺族年金を受給できるのかは理解をする必要があります。
遺族年金とは
国民年金の加入者の方や国民年金を受給している方が無くなった場合、遺族の生活保障としての遺族給付を行う制度になります。
この遺族給付には、
・遺族基礎年金
・遺族厚生年金
に分かれます。
この2種類を簡単に説明すると、
今まで会社勤めをしたことのない自営業やフリーランスの方は、「遺族基礎年金」が対象となり、
会社員や公務員の方は、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」が対象になります。
それでは、以下に遺族基礎年金に関して記載します。
遺族基礎年金とは
遺族基礎年金を簡単に説明すると
国民年金に加入している被保険者が死亡した場合、一定の条件を満たしている場合、遺族に遺族基礎年金が支払われます。
以下に「支給条件」、「受給条件」、「支給額」を記載します。
支払い条件や金額に関しては、制度が変更になる恐れもありますので、最新の内容は日本年金機構から確認して下さい。
念のため下記にリンク先を記載します。
【支給条件】
老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が亡くなった場合
【受給条件】
「子のある配偶者※」または「子供」※
※配偶者に対しても年収850万円未満でなければいけません。
※子供の定義は、「18歳になって最初の3/31までの子か、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子」になります。
上記の支給条件などから遺族基礎年金が受給できる方は
子供がいる場合は受給できますが、子供がいない場合は受給できません。
【受給金額】
令和2年度
781,700円+子の加算※
※子の加算
第1子、第2子 各224,900円
第3子以降 各75,000円
上記のため、国民年金(自営業やフリーランスの方)のみの奥さんは、旦那さんが亡くなっても、子供がすでに巣立っていると遺族基礎年金は受給できません。
その為、いざと言う時の為に旦那さんに対して死亡保険を加入するなど検討してはどうでしょうか。
また、年金生活の場合は、旦那さんが亡くなった場合、奥さんの年金だけになり、収入はかなり激減します。
そのことを考えると奥さんも老後の貯蓄を検討する必要があります。
しかし、国民年金には独自給付として「寡婦年金」と「死亡一時金」と言う制度がありますが、この制度はどちらか一方をのみを受給できますので注意して下さい。
それでは、以降に「寡婦年金」と「死亡一時金」の詳細を記載します。
寡婦年金とは
寡婦年金の「支給条件」と「受給期間」と「受給金額」を以下に記載します。
【支給条件】
国民年金に10年以上加入していた旦那さんが年金(老齢基礎年金や障害基礎年金)を受取らず亡くなった場合
10年以上継続して婚姻関係があった場合
【支給期間】
奥さんが60歳~65歳になるまでの間
【支給金額】
旦那さんが国民年金に加入していた期間の老齢基礎年金の3/4の金額
【注意事項】
奥さんが繰り上げ支給で国民年金を受給していると寡婦年金は受給できません
死亡一時金とは
死亡一時金の「支給条件」と「受給金額」を以下に記載します。
【支給条件】
国民年金に3年以上加入していた旦那さんが年金(老齢基礎年金や障害基礎年金)を受取らず亡くなった場合
生計を同じくしていた遺族※に支給
※遺族の定義:配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の中で優先順位の高い方に支給
【支給金額】
保険料を納めた月数に応じて120,000円~320,000円
付加保険料を納めた月数が36月以上ある場合は、8,500円が加算
【注意事項】
死亡一時金には時効があるので注意して下さい(死亡日の翌日から2年)
遺族基礎年金の受給例
それでは、遺族基礎年金の受給例を以下に記載します。
(1)18歳未満の子供がいる場合
(a)18歳未満の子供が1人
年間:1,006,600円を受給することができます。
計算式:781,700円+224,900
(b)18歳未満の子供が3人
年間:1,306,500円を受給することができます。
計算式:781,700円+224,900+224,900+75,000
(c)注意
上記にも記載していますが、子供が18歳を迎えると支給は停止されますので注意して下さい。
(2)18歳未満の子供がいない場合
残念ながら遺族基礎年金は受給できません。
遺族厚生年金とは
遺族厚生年金を簡単に説明すると
厚生年金に加入(会社員や公務員の方)している被保険者が死亡した場合、一定の条件を満たしている場合、遺族に遺族基礎年金に遺族厚生年金を上乗せし支払われます。
以下に「支給条件」、「受給条件」、「支給額」を簡単に記載します。
支払い条件や金額に関しては、制度が変更になる恐れもありますので、最新の内容は日本年金機構から確認して下さい。
念のため下記にリンク先を記載します。
【支給条件】
・厚生年金に加入している方が亡くなった場合
・障害厚生年金受給権者(1級、2級)が亡くなった場合
※遺族基礎年金のように、子供の有無で条件は変わりません。
【支給額】
・亡くなった旦那さんの厚生年金加入月が
300ヵ月以下の場合:300ヵ月で算出
300ヵ月以上の場合:加入月で算出
・上記で算出された厚生年金の3/4の金額
【注意事項】
奥さんが30歳未満の場合は、遺族厚生年金の支給は、5年間です。
元々、年齢制限はありませんでしたがH19.4月から遺族厚生年金の改悪が行われ30歳と言う線引きが出来てしまいました。
30歳未満と若いので、5年間は遺族厚生年金で面倒を見てやるがそれ以外は、頑張れと国から言われているようです。
大きなお世話のような気もしますが。。。
また、一定の遺族には、「高齢寡婦加算」「過的寡婦加算」言う遺族年金の加算給付があります。
それでは、以降に「高齢寡婦加算」「過的寡婦加算」の詳細を記載します。
中高齢寡婦加算とは
中高齢寡婦加算に関する支給条件、支給金額を以下に示します。
【支給条件】
・40歳~65歳未満の子のない妻 注意
・子供があっても40歳~65歳未満で老齢基礎年金が失権している妻
注意:
子供有無が条件に入っていますが、18歳未満の子供がいる場合、「遺族基礎年金」を受給することができます。
その後、子供が18歳以上となった場合は、「遺族基礎年金」は支給停止になりますが、その代わりに「中高齢寡婦加算」を受給することになります。
【支給金額】
遺族厚生年金に年額:586,300円が加算(令和2年)
40歳以下で子供がいない場合は、遺族基礎年金も中高齢寡婦加算も受給できません。
経過的寡婦加算とは
中高齢寡婦加算の打ち切りにより、年金が減少する分を補います。
この制度は、もう時期無くなる制度なので、詳しく記載はしません。
受給できる方は、S.31.4.1以前の生まれの方が対象です。
その為、S.31.4.2以降の誕生の方は、本制度は対象外です。
支給される金額は、65歳まで受給していた「中高齢寡婦加算」の金額から65歳以降に受給できる「老齢基礎年金」の差額を受給することができます。
遺族厚生年金の受給例
それでは、奥さんの年齢を例に遺族厚生年金がどれくらい受給できるか記載します。
(1)30歳未満の奥さんの場合
・旦那さんの遺族厚生年金部分の3/4を受給(計:5年間のみ)
(2)30歳未満の奥さんで18歳以下の子供が1人いる場合
・遺族基礎年金から年間:1,006,600円を受給
・旦那さんの遺族厚生年金部分の3/4を受給(計:5年間のみ)
(3)30歳以上の奥さんの場合
・旦那さんの遺族厚生年金部分の3/4を受給
(4)40歳~65歳の奥さんの場合
(a)18歳未満の子供が1人いる間
・遺族基礎年金から年間:1,006,600円を受給
・旦那さんの遺族厚生年金部分の3/4を受給
(b)18歳未満の子供がいない場合
・中高齢寡婦加算:586,300円を受給
・旦那さんの遺族厚生年金部分の3/4を受給
(5)65歳以降の奥さんの場合
・旦那さんの遺族厚生年金部分の3/4を受給
・奥さんの老齢基礎年金を受給
・受給できる方は、過的寡婦加算を受給
それでは、具体的に遺族厚生年金の3/4を受給と言っているがどれくらいになるのかを記載します。
要するに、 ※ここでは計算を楽にするため端数は使いません
旦那さんが年金を年間200万円もらっていた場合
・老齢基礎年金:70万円
・老齢厚生年金:130万円
だった場合
130万円×3/4 = 975,000 月額:81,250円を受給できます。
奥さんが、老齢基礎年金を満額受給できることを仮定すると
(令和2年)年額:781,692円 月額:65,141円
年額は、975,000円+781,692円=1,756,692円になります
月額は、1,756,692円÷12=146,391円を受給できることになります。
最後に:遺族年金は、いくらもらえる
どうでしょうか?
自営業やフリーランスの奥さんに関しては、正直、老齢基礎年金は、受給できると思わないほうが良いです。
なので、旦那さんが亡くなった場合は、自力でどうにかするしかありません。
専業主婦の奥さんは、年金を受給しているのならば、旦那さんの老齢基礎年金の3/4を受給することは可能です。
また、旦那さんが亡くなった時に、40歳~65歳ならば「中高齢の加算」も受給可能ですので、何とかなるのではないでしょか。
しかし、30歳未満の奥さんは、遺族厚生年金が5年間しか受給できないので5年目以降は、自力でどうにかするしかないようです。
上記をみてどうでしたか?
遺族基礎年金のみの自営業の奥さんは、旦那さんが亡くなった場合を考慮し、死亡保険の加入や将来の年金額を増やす行動をするべきと考えます。
例として
・国民年金基金や付加年金の加入
・つみたてNISAでの運用
・iDeCo(イデコ)での運用
専業主婦の奥さんは、30歳未満の方は、5年間のみの保障になるので対応が必要と思います。
まだ、30歳未満と若いので今後の人生プランを考えてもらいたいものです。
30歳以上の奥さんは、遺族厚生年金を受給できますので、それほど落胆する必要が無いのかもしれません。
これは、あくまでも、受給できるお金の話のみであり、これからの人生をどうするかは、別問題です。
旦那さんが亡くなり、今後をどうするかは、色々と考えはあると思います。
今後の人生をどうするかは、各自の判断です。
遺族年金でお金に余裕がでても、幸せかどうかは、自分次第ではないでしょうか。
正直、私は幸せとは思えませんが。。。
皆さんは、どのように思いましたか?
コメントがあれば、よろしくお願いします。
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