今回の記事は、
遺族年金額を比較|専業主婦の遺族年金はこんなに受給できる?
に関しての記載になります。
今回の記事は、旦那さんが亡くなった場合の遺族年金額がいくら受給できるのかを記載していきます。
まず、旦那さんが亡くなった場合などに受給できる遺族年金は下記の2種類の制度になります。
■ 遺族基礎年金
■ 遺族厚生年金
自営業やフリーランスの方(第1号被保険者)は、「遺族基礎年金」が対象です。
また、会社員や公務員の方(第2号被保険者)、専業主婦の方(第3号被保険者)の方は、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」が対象になります。
遺族基礎年金と遺族厚生年金の詳しい内容に関しては、以降に記載していきますが、遺族基礎年金に関しては、
■ 18歳※1になって最初の3/31までの子
■ 18歳※1になって最初の3/31までの子の配偶者※2
※1:障害のある子は20歳
※2:配偶者の年収は850万円未満
が支給条件となっており、18歳以下の子供がいない場合は受給することができません。
その為、高齢夫婦で子供がいない場合は、遺族基礎年金は受給することができません。
なので、第1号被保険者(自営業やフリーランスの方)の高齢夫婦の方で、旦那さんや奥さんが亡くなってしまった場合、金銭的な面から高齢者の貧困問題につながってしまいます。
それでは、専業主婦の方の遺族年金と共働き夫婦の遺族年金はどのようになっているのかを以下に記載します。
正直、旦那さんが亡くなった場合、共働きの夫婦の方でも、年金額によっては、専業主婦の方が受給できる年金額と比較しても大した金額の差は出ません。
非課税の金額を考えれば、専業主婦の方の方が多く受給できるかもしれません。
最終的には、専業主婦の方の年金事情を考えると働き損?と考えさせられ、専業主婦の方の遺族年金事情は「ずるい」のではないかと考えさせられてしまいます。
それでは、以降に、専業主婦の方と共働き夫婦の方の遺族年金事情に関して記載していきます。
詳細は以降に記載します。
以降は目次です。
目 次
前回の記事
遺族年金の受給条件は
それでは、遺族年金の受給条件と言うことで、旦那さんが亡くなった場合の遺族年金に関しての記載を行います。
まず、遺族年金に関しては、自営業の方が受給できる「遺族基礎年金」と会社員や公務員の方、専業主婦の方が受給できる「遺族厚生年金」の2種類分かれることになります。
それでは、それぞれの受給できる遺族年金の受給条件を以下に記載します。
■ 遺族基礎年金の受給条件
まずは、自営業の方やフリーランスの方が受給できる遺族基礎年金の受給条件になります。
受給条件は、下記の条件の方が亡くなった場合に受給することができます。
◆ 老齢基礎年金の加入期間が25年以上ある者
◆ 18歳になって最初の3/31までの子供がいるか
要するに、老齢基礎年金に25年以上加入していても、18歳以下の子供がいないと老齢基礎年金を受給することができないということになります。
また、子供と配偶者の条件になりますが、
「18歳になって最初の3/31までの子か、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子」
が対象となり、尚且つ
配偶者の年収が850万円未満でないと支給はされませんので注意が必要です。
なので、高齢の夫婦の方が、旦那さんが亡くなったとしても遺族基礎年金を受給することはできないと言うことを理解したほうが良いです。
その為、高齢の夫婦で、旦那さんが亡くなった場合、自分の老齢基礎年金のみの受給になる為、生活に非常に厳しくなる方が多いのも事実です。
しかし、遺族基礎年金には、自営業やフリーランスの方(第一号被保険者)の独自救済として
■ 寡婦年金
■ 死亡一時金
と言う制度がありますので少しは足しになるかもしれません。
こちらの制度は、「寡婦年金」と「死亡一時金」のどちらか一方のみですので注意して下さい。
「寡婦年金」と「死亡一時金」の受給条件は、以降に記載します。
■ 遺族厚生年金の受給条件
続いて、専業主婦の方で、会社員や公務員の旦那さんが亡くなった場合に受給できる遺族厚生年金の受給条件ですが
◆ 厚生年金保険の被保険者が亡くなった時
となります。
また、18歳未満の子供がいる場合は、遺族基礎年金を受給することができます。
要するに
18歳未満の子供がいる場合は
◆ 旦那さんの遺族厚生年金
◆ 遺族基礎年金
を受給することができます。
また、
子供が18歳を過ぎた場合は、
◆ 旦那さんの遺族厚生年金
◆ 中高齢寡婦加算
を受給することができます。
中高齢寡婦加算に関しては、年間:586,300円(令和2年時点)を受給することができます。
また、奥さんが65歳の老齢基礎年金を受給できる年齢になると
◆ 旦那さんの遺族厚生年金
◆ 自分の老齢基礎年金
を受給することができます。
また、S.31.4.1以前に生まれの方が対象になりますが、中高齢寡婦加算が廃止される代わりに、経過的寡婦加算を受給することができます。
こちらは、上記で記載した通り、S.31.4.1以前に生まれの方が対象になるので注意して下さい。
自営業の方の遺族年金額は
遺族基礎年金の受給額に関して記載します。
遺族基礎年金に関しては、18歳以下の子供がいない場合は、受給することができませんので注意して下さい。
全ての、国民年金加入者が、遺族基礎年金を受給できる物ではありません。
令和2年での受給できる遺族基礎年金額は、子供の人数により金額が変わることになり「781,700円+子の加算※」を受給することが可能です。
※子の加算
第1子:各224,900円
第2子:各224,900円
第3子以降:各75,000円
その為、上記の金額からどれくらいの受給が可能かを以降に例として記載します。
◆ 子供が一人の場合
計算式は「781,700円+224,900円」となり、受給できる金額は「1,006,600円」を受給することになります。
◆ 子供が三人の場合
計算式は「781,700円+224,900円+224,900円+75,000円」となり、受給できる金額は「1,306,500円」を受給することになります。
それでは、遺族基礎年金以外に受給できる「寡婦年金」と「死亡一時金」に関しての記載を以降に記載します。
■ 寡婦年金とは
受給できる寡婦年金の「支給条件・受給期間・受給金額」を以下に記載します。
【支給条件】
◆ 国民年金の加入期間が10年以上
◆「老齢基礎年金」や「障害基礎年金」を受給せずに亡くなった場合
◆ 10年以上継続して婚姻関係があった場合
【支給期間】
◆ 奥さんが60歳~65歳になるまでの間
【支給金額】
◆ 国民年金に加入した期間の老齢基礎年金:3/4の金額
寡婦年金を受給する注意事項として、奥さんが年金の繰り上げ支給で国民年金を受給していると寡婦年金は受給できませんので注意してして下さい。
■ 死亡一時金とは
死亡一時金の「支給条件・受給金額」を以下に記載します。
【支給条件】
◆ 国民年金に3年以上加入
◆「老齢基礎年金」や「障害基礎年金」を受給せずに亡くなった場合
支給される方は、生計を同じくしていた遺族※に支給されることになります。
※支給される遺族は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の中で優先順位の高い方に支給されます。
【支給金額】
◆ 保険料を納めた月数に応じて120,000円~320,000円
◆ 付加保険料を納めた月数が36月以上ある場合は、8,500円が加算
死亡一時金を受給する注意事項として、死亡一時金には時効(死亡日の翌日から2年)があるので注意して下さい
専業主婦の方と共働き夫婦での遺族年金額は
それでは、次に専業主婦の方や共働きの夫婦の方が受給できる遺族厚生年金は、旦那さんの老齢厚生年金部分の3/4を受給することができます。
また、共働きの奥さんに関して、旦那さんが亡くなった場合、遺族厚生年金が受給できますが受給できる条件があります。
基本的に受給できる年金の考え方になりますが、一人の人は複数の年金受給者となる場合、いずれかの年金を選択しなければいけないと言う制度です。
これを「併給調整」と言います。
なので、以下に、Aさん(共働き夫婦)とBさん(専業主婦)の方を例にして、遺族厚生年金と自分の老齢年金が一体いくら受給できるのかを記載してみます。
■ Aさん(妻、65歳未満)は、数年前に旦那さんが亡くなった
現在、遺族厚生年金を60万円※1受給
【Aさんが65歳になった時】
■ Aさんの老齢厚生年金は30万円※2
■ Aさんの老齢基礎年金は65万円※3
60万円×2/3+30万円×1/2=55万円※4
Aさんは、上記の55万円(※4)と旦那さんの遺族厚生年金(※1)のどちらか多い方が対象
■ 60万円(※1)
■ 併給調整後の遺族厚生年金:60万円(※1)-30万円(※2)=30万円(※5)
■ 65万円(※3)+30万円(※2)+30万円(※5)の125万円(※6)
なので、Aさんが65歳以降受給できる年金額は、125万円を受給することになります。
それでは、専業主婦のBさんを上の例と同じ条件にすると
■ Bさん(妻、65歳未満)は、数年前に旦那さんが亡くなった
現在、遺族厚生年金を60万円※1受給
【Bさんが65歳になった時】
■ Bさんの老齢基礎年金は65万円※2
Bさんは、60万円+65万円の125万円を受給することができます。
なので、旦那さんが亡くなった場合、共働きで働いていたAさんと専業主婦のBさんは同じ年金額を受給することになります。
仮にAさんの年金受給額が65万円を超えていた場合は、旦那さんの遺族厚生年金は受給できないことになります。
正直、このことを考えると、遺族年金に関しては、専業主婦の優遇は大きく共働きの奥さんや第1号被保険者(自営業・フリーランス)の夫婦の奥さんから比べると
この遺族厚生年金の制度は話にならない(ずるい)と言わざる負えないかもしれません。
正直、共働きの方は、正直納得できませんよね。
折角、働いて厚生年金と言う社会保険を納めても、収めていない専業主婦の方と結局同じ金額なの?と言う話になります。
遺族年金での男女差別
続いて、遺族厚生年金に関する男女不平等に関しての記載になります。
共働きの夫婦の方の場合、旦那さんよりも先に奥さんが無くなってしまうと遺族厚生年金がどうなるのかと言うと、上記に記載していた条件で受給することはできません。
受給できる条件ですが、
奥さんが亡くなった時に、旦那さんは、55歳以上でないと老齢厚生年金の受給資格はありません。
また、遺族厚生年金を受け取るの開始年齢は、60歳から受給することになります。
なので、専業主夫の方は、遺族厚生年金は受給できる金額が異なっていると言うことを理解したほうが良いです。
また、男女での差がここまで出てくるのかと言うことになりますが、
65歳以降に老齢厚生年金を受給している場合は、奥さんの遺族厚生年金部分は受給できませんので注意して下さい。
念のため、遺族基礎年金は、男女とも平等に遺族年金は受給されますが、遺族厚生年金だけは、このような男女不平等の条件が存在します。
元々は、遺族厚生年金や第3号被保険者制度などは、専業主婦(特に女性)を守るための制度なので、専業主夫などには冷たい制度の様です。
その為、共働きの夫婦の方は、旦那さんが亡くなった時の事よりも奥さんが亡くなった場合を考えたほうが良いのかもしれません。
専業主婦の方も同様ですが。
また、専業主婦の方や共働き夫婦の方も注意として知っておくべきですが、この遺族厚生年金は、
■ 子のない30歳未満の妻は、5年間の有期給付
となりますので注意して下さい。
また、上記で記載した遺族厚生年金での「中高齢寡婦年金」は、漢字で分かるように、受給できるのは女性だけです。
男性は受給できませんので覚えておいてください。
結局は、男女平等と言っていますが、全然、男女平等なのではないということは理解して下さい。
最後に:専業主婦の遺族年金はこんなに受給できる
どうでしょうか?
遺族年金額を比較|専業主婦の遺族年金はこんなに受給できる?
に関しての記載になります。
今回は、専業主婦の方が受給できる遺族年金はこんなに手厚い保護がされていると言うことを記載しました。
女性は、「外で働き活躍して下さい」と政府は言っております。
しかし、実は、将来受給できる遺族年金だけを比べれば、専業主婦の方と受給できる年金額は大差がないということが分かります。
正直、遺族厚生年金だけの話で言えば、専業主婦の方は、非課税で遺族年金を受給できるので受給額だけで言えば専業主婦の方の方が多いのかもしれません。
要するに、このような話を記載すれば、「働くだけ損ではないか」「専業主婦の制度は廃止しろ」などのご意見が出てくるのも事実です。
実際に、専業主婦の方は、社会保険料を納めていない状態で、ここまで保障されているのはどういうことなのかと若干疑問を持ってしまうことも事実です。
しかし、この専業主婦の方を守る制度(第3号被保険者制度)が無ければ、専業主婦であった高齢者の保障ができないのも事実です。
今後は、どうしていかなければいけないのかはありますが、いつまでもこの制度のままと言うわけにはいかないと思います。
皆さんは、どのように思いましたか?
コメントがあれば、よろしくお願いします。
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