今回の記事は
2019年度の国民年金納付率:69.3%。納付率が低いと何が問題なのか?
に関して記載します。
厚生労働省が公開した2019年度の国民年金の納付率が69.3%となり、8年連続で改善されているとのことです。
8年連続で納付率の改善があったことに関しては、コンビニでの支払いやクレジットカードなどの支払い方法の多様化が納付率を向上させたことが要因と考えられます。
また、国民年金の納付をしない場合の督促強化を行うことにより、納付率が改善されたもの考えられます。
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そこで、今回は、タイトルの通り、国民年金の納付率が低いと何が問題なのかに関して記載します。
国民年金と言う年金制度なので、納付をしていなければその分の年金が将来もらえなくなるだけなので納付率が低くても問題が無いような気がします。
しかし、国民年金などの年金制度は、賦課方式を採用している為、国民年金を納付する人が少ないと、年金制度自体が成り立たなくなります。
それでは、なぜ、賦課方式であると年金未納者が増えると年金制度自体に問題が起きるのかを記載していきます。
詳細は以降に記載します
以降目次です。
前回までの記事は、
年金は元が取れないから払いたくないと思っていませんか?
に関して記載します。
前回の記事は、年金は元が取れないから払いたくないと言う記事でした。
そもそも、年金の元が取れないと言っているのは、何を言っているのかと言う話になります。
我々が加入している年金の制度で言えば、
第1号被保険者
自営業やフリーランスの方が加入している国民年金
会社員や公務員の方が加入している厚生年金
第3号被保険者
専業主婦の方が加入している国民年金
の分類になります。
まず、国民年金だけで言えば、20歳~60歳までの480ヶ月未納期間が無く収めた場合、65歳から年金を受給すれば、
約10年
で元が取れます。
国民年金は、長生きをすればするほど、将来年金を受給できるお得な商品となります。
また、国民年金は、65歳から受給できる老齢年金以外にも
旦那さんや奥さんが亡くなった場合の遺族年金
病気やケガで障害を受けた場合の障害年金
を受給することができ、とてもコスパの良い商品になります。
しかし、元が取れない年金に関して言えば、条件が色々ありますが厚生年金は元を取れるのかと言うと正直厳しい年金になります。
しかし、厚生年金では、国民年金よりも受給できる金額が多く、また、遺族年金や障害年金に関しても国民年金の制度よりも保障が良い年金です。
厚生年金に関して言えば、専業主婦(夫)の方の社会保険料を、加入者と会社で保険料を賄っているので、単身者や共働きの方には損をする年金制度なかもしれません。
確かに厚生年金は、元が取れないかもしれませんが、国民年金よりも将来受給できる年金額が多く、終身で年金を受給できることを考えれば大変ありがたい制度です。
その為、国民年金も厚生年金も長生きすれば長生きするほど年金を多く受取れ元が取れると言う記事になります。
記事の内容に興味を持たれましたら下記の記事を確認してみて下さい。
また、前回までの記事も気になるものがあれば、こちらもよろしくお願いします。
前回の記事
賦課方式とは
賦課方式を簡単に言えば、現役世代が収めた社会保険料は、その時の年金受給者への支払いに充てられる方式です。
要するに、収めた保険料は、右(現役世代)から左(年金受給者)へ移動してしまいます。
その為、現役世代が年金を納めてくれないと、年金受給者への年金の支払いに充てられなくなります。
そうなると、足りない分を税金で補填するか、GPIFで運用している年金を切り崩すかをして補填をする必要があります。
しかし、このようなことが続けば、GPIFで運用している貯蓄も無くなり、税金でも賄えなければ、年金制度自体が成り立たなくなります。
それでは、なぜ、このような賦課方式して年金を運用しているかを記載します。
これも簡単に記載すると、世の中の物価の上昇などを考慮した為になります。
年金に関して言えば、収める期間(運用期間)は、480ヶ月と非常に長いです。
その為、20歳から年金を支払い続け、将来年金を受給できる45年(65歳)後の物価がどのようになっているかは分かりません。
20歳の時から物価指数が今の時代と変わらなければ、
積立て方式
※支払った年金額を積立て運用する方法(個人年金保険などと同じ)
で運用しても良いのですが、年金を受給する時(45年後)に物価がものすごく上昇していた場合は、目も当てられません。
昔の初任給は、2万円や3万円と言われています。
その時代に、年金を納めていた人が、令和の時代に年金を受給した時に、昔の掛け金で年金を受給できてもお話になりません。
今の時代に2万円や3万円以下の年金額を受給されてもとてもではないですが生活はできません。
その為、公的年金は、積立て方式ではなく、賦課方式を採用して運用をしています。
上記にも記載しましたが、賦課方式で運用している為、
社会保険料 ≧ 年金受給額
の式が成り立たないと、公的年金での運用ができなくなる為、年金の納付率が低いということは、非常に問題となります。
なので年金の納付率は上げられれば上げられるだけ良いのです。
国民年金の加入者は年々減少している
厚生労働省のデータから見ると、2019年度の国民年金納付率:69.3%となっており、8年連続で納付率が上がっています。
しかし、年金受給者数を見ると、国民年金の加入者は、H27年から減少傾向にあり、専業主婦の第3号被保険者の方も右肩下がりで減少しております。
年度 |
国民 年金 |
厚生 年金 |
専業 主婦 |
2015年 |
1,668 |
4,129 |
915 |
2016年 |
1,575 |
4,266 |
889 |
2017年 |
1,505 |
4,358 |
870 |
2018年 |
1,471 |
4,428 |
847 |
2019年 |
1,453 |
4,485 |
820 |
国民年金、専業主婦の方の対象が減少しておりますが、厚生年金の加入者の数がH27年から356万人増加していることになります。
その為、厚生年金の財源(保険料の収益)が増えていることが分かります。
しかし、単純に国民年金や専業主婦の方がそのまま、厚生年金にシフトしたかと言うとそうでもなく、現役世代から年金世代にシフトしている方もいるので何とも言えません。
一言、言えることは、国民年金の加入者が減少しているが、国民年金の納税率が上昇してい
ることはいい傾向ではないでしょうか。
また、国民年金の加入者が減少していることもそうですが、専業主婦の方の推移も減少している為、年金の財源としてはうれしい事なのかもしれません。
専業主婦の方は、国民年金の保険料は収めていませんので、専業主婦→厚生年金に遷移することは喜ばしい事なのではないでしょうか。
また、国からすれば、国民年金よりも厚生年金に加入してくれる方が収めていただける保険料も増えるのでうれしい限りのはずです。
国民年金の未納者は全体で一握り
公的年金加入者:6758万人のうち、公的年金未納者は、125万人となっています。
会社員や公務員の方が加入している厚生年金は、給与から自動で社会保険は天引きされています。
また、専業主婦の方の年金額は、厚生年金にて賄われていますので、厚生年金加入者と専業主婦の方の5,305万人の方は、公的年金を支払っていることになります。
要するに、公的年金未納者の125万人は、国民年金に未加入の方となります。
その為、1,453万人のうち、125万人が未納なので、国民年金の納付率だけで言えば、91%の納付率になります。
しかし、今回のブログのタイトルのように納付率は、69.3%となっており矛盾を感じえます。
この矛盾は何を指しているかと言うと、
未納の125万人以外に、国民年金にて本来免除や猶予をされた方(一旦払わなくても良い方)が含まれている為、納付率が減少していることになります。
本来であれば、公的年金加入者:6,758万人に対して、年金未納者が125万人いることになります。
その為、本来の納付率を考えれば、公的年金に加入している方は、98%納付していることになり、未納者は全体の2%に過ぎないということになります。
なので、年金を納付していない人が3割もいるから俺も払わないなど安易な考えはやめるべきです。
公的年金を支払っていない方は、日本国民の全体で言えば2%の方になります。
最後に:年金納付率が低いと何が問題なのか?
どうでしょうか?
2019年度の国民年金納付率:69.3%。納付率が低いと何が問題なのか?
に関して記載しました。
年金の運用方法は、正直色々言いたいことはありますが、これからの物価上昇率などを考慮すると年金の運用を賦課方式にするのは、やむを得ないのかもしれません。
公平を保って、公的年金は、積立て方式にするべきと言う話も聞きます。
しかし、今の世の中は、デフレ傾向であり、物価も低い状況です。
この状況がいつまでも続くわけもなく、いつの日か、物価は上昇します。
その時に、積立て方式では、目も当てられません。
なので、日本政府には、今後の事を考え、少子化対策に至急手を付けてもらいたいものです。
その為の増税ならば、我慢できますが、少子化とは逆行の政策をし、増税をされるのでは全く話になりません。
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ある程度年収があると高校無償化カット、児童手当もカットされるようではとても少子化は収まりません。
我々が将来受給できる年金は、どれくらいなのか全くわかりませんが、自分が65歳になった時に若い方たちの負担になっていないことを祈るばかりです。
皆さんは、どのように思いましたか?
コメントがあれば、よろしくお願いします。
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