前回は、「複利の効果で将来の資産を増やすためには?」と言う記事を記載しました。
前回の記事
今回の記事は、「収めた年金が無くなっていく賦課方式とは?積立て方式にするべきなのか?」に関して記載していきたいと思います。
そもそも、賦課方式と言うものをご存知ですか?
詳細に関しては、以降に詳細を記載します。
以下目次です。
年金の運用方法:賦課方式とは
年金の運用方法をご存知の方も多いいと思いますが年金は、賦課方式で運用されています。
賦課方式:読み方は、「ふかほうしき」です。
それでは、老齢年金の賦課方式を簡単に説明すると、
賦課方式とは
我々が収めている保険料(国民年金、厚生年金、共済年金)は、現在の高齢者が受給している老齢年金の支給に使用される方式の事を言います。
その為、我々が収めている保険料(国民年金、厚生年金、共済年金)は、決して自分自身の将来の為に貯蓄されているわけではありません。
賦課方式では、元々の考えが、「現役世代からの保険料」(収入)と「高齢者への老齢年金」(支出)はイコールになるので、資金のショートはありません。
賦課方式の考え方は
通常の考え方
支出 収入
老齢年金など = 保険料など
現在は、
支出 収入
老齢年金など > 保険料など
しかし、そんな考え方がいつまでもできない時代になってきました。
次に、賦課方式のデメリットを記載します
賦課方式のデメリット
賦課方式には、下記のデメリットがあります。
賦課方式のデメリット
・少子高齢化に弱い
・受取る世代間で受給する年金額に変化がある
少子高齢化に弱い
少子高齢化により、保険料を納める方が減少していくなか、高齢者は右肩上がりに植えていくと言う現象となっている。
高齢者へ支払う年金額より、収めている保険料が少なくなれば
・足りない部分は、国保で賄う
・保険料を上げる
・年金受給額が下げる
と言うような方法を取ってくると思われます。
いきなり
・老齢年金を減額すると、生活保護が増加
・保険料を上げれば、国民が騒ぎ出す
・税金を上げれば、国民が騒ぎ出す
その為、上記のようなことが起きないように5年ごとにひっそりと受給年金額を下げ、保険料を上げると言う運用に乗り出しています。(マクロ経済スライド)
マクロ経済スライドとは
社会の情勢に伴い(少子高齢化の状態など)、年金受給額の給付水準を調整する仕組みです
知っていましたか?
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また、税金(所得税など)に関しては、ひっそりと年々上がっています。知っていましたか。
給料が上昇しても、それ以上に税金が上がっているので、給料が上がっていないように見えるのかもしれません。
要するに真綿で首を絞められているような状態です。
受取る世代間で受給する年金額に変化がある
賦課方式は、インフレに強いのが特徴です。
昔の物価が安いことは、皆さん知っていると思います。
その時代に、保険料を支払っていた方が、今、年金を受給しています。
要するに保険料を数百円しか払っていない人が、今現在、数万円の年金を受給しているのです。
それでは、我々は、どうなのかと言うと、これからハイパーインフレでも起きない限り、支払った金額以上受給できるかどうかは疑問です。
デフレが解消されているかは、あまり認識がわきませんが、デフレ傾向が高まれば、私たちが高齢になった時は、一体いくら貰えるのでしょうか。
まったく疑問です。
賦課方式のメリットに関して
上記のデメリットの記載にも記載しましたが、賦課方式のメリットは下記の通りです。
賦課方式のメリット
・インフレに強い
年金を賦課方式で運用している一番の理由は、インフレに強いと言うことがあげられます。
要するに、インフレにより物価が上昇したとしても、年金受給者へ支払う年金は、現役世代から徴取した保険料や国保(税金)で対応している為、年金受給者の年金受給額は下がりにくいと言うメリットがあります。
賦課方式まとめ
賦課方式では、インフレに強いと言うメリットはありますが、今後やってくる少子高齢化時代を考えると、このままの賦課方式でよいのかは疑問を感じえます。
現役時代の我々からすれば、老齢年金にだけ特化すれば自分で収めている保険料を他人に使わず自分自身に使用していただきたいと思いますよ。
そこで、このごろよく言われる、年金の運用方法を積立て方式にした場合は、どのような問題があるのかを記載したいと思います。
積立て方式に関して
積立方式を簡単に言うと、自分が支払った保険料を老後に自分自身に使用できる方式の事です。
上記の文言だけを見た場合、自分中心で見た場合、自分で支払った年金が自分自身で使用できるので、制度自身に文句を言う人はいないのではないでしょうか。
しかし、沢山保険料を払えば、老後の年金が増加しますし、大して保険料を支払わなければ老後の年金は、大して貰えないと言うことになります。
それでは、年金を積立て方式にした場合、どうなるかと言うと、まず1番のメリットは、少子高齢化の影響は受けづらくなります。
しかし、このまま少子高齢化が進めば、働き手もなくなり経済も低迷してきます。
そうなれば、積立てである運用利回りも悪くなり積立てる大きなメリットが無くなってしまうかもしれません。
また、積立て方式には下記のデメリットもありますので、積立て方式が本当に良いのかは検討が必要ではないのでしょうか。
インフレに非常に弱い
賦課方式は、現役の世代が高齢者の年金を支払うので、非常にインフレには強いのですが、積立て方式になるとそうではありません。
物価の価値が同じであればよいのですが、昔と今では物価の価格が異なっています。
コーヒー一杯でも値段は変わっていたはずです。
その為、昔に収めていた金額が今と同等の金額かと言うと違います。
昔は年金の保険料が、数百円でも良かったのかもしれませんが、今ではそのようなことはありません。
昔の保険料が数百円であったからと言って、高齢者に数百円で収めた保険料で年金額を算出したらどうなると思いますか?
そんなことをしたら、生活が出来ません。
よくニュースなどで年金は、賦課方式だから駄目だから積立て方式に変更すべきだと言う話も聞きますが、自分たちが高齢者になった時、物価がどのようになっているかはわかりません。
今は確かに少子化で保険料を納める人が少なくなってきているので、賦課方式が駄目と言う話も理解できますが、それは、少し極端な話なのかもしれません。
年金資産の運用が失敗する可能性がある
積立方式にするのであれば、収められた保険料を運用していく必要があります。
株も、投資もそうですが、絶対的に黒字運用で処理できるわけもありません。
黒字にもなるが赤字にもなります。
下手をすれば元本が無くなってしまい、運営ができなくなるリスクもあるのです。
ニュースでは、何兆円の年金が無くなったと言うニュースを見ますが、実はそれ以上の黒字を出しているときもあります。
その時には、驚くほどニュースには取り上げられていません。
取り上げられていたとしても、すごく短い感じです。
正直、年金機構の運用方法で株式の運用率を上げたことにより、損失が出ています。
それは、政府のせいだ!と言わんばかりのニュースです。
株で損失が出ても売却しなければ、損にはなりません。
正直、株価が下がれば一時的に資産が減りますが、株価が上昇すれば資産も上昇します。
そのことを理解しているのかしていないのか全く分かりませんが、物凄い悪意のこもった報道がされているのは、正直納得できないところがあります。
また、株式は、ETFもそうですが、配当金が出る物もあります。
その部分の黒字に関しては、まったく報道されないと言う不思議でしょうがないです。
急に運用方式は変更できない
それでは、明日から賦課方式から積立て方式に変更するとなるとどうなるかです。
先ほども記載した通り、今の高齢者の年金は、現役世代が支払っている保険料と国保(税金)で成り立っています。
その為、運用方式が変更された場合、今の高齢者の方に支払う原資が無くなってしまいます。
そうなれば、最悪、国保(税金)で担保していくか、年金の減額がやってきます。
また、これから保険料を支払う人はいいですが、今まで、さんざん採取されてきた現役の世代はとても納得できたものではありません。
この不公平感をどうなくしていくかで運用方法が変更できるのかどうかなのではないでしょうか。
このまま少子高齢化に関しては、指を咥えて見ているのであれば、将来的に年金システムは、最悪破綻してしまうかもしれません。
破綻してしまえば、生活保護の方が増加し、さらに財政は圧迫します。
その為、高齢者と今まで納税してきた現役世代を保障すると言う考えから、賦課方式と積立て方式のハイブリットで運用していき、最終的に、賦課方式から積立て方式に変更するのが一番いいのかもしれません。
時間は、物凄くかかると思いますが。
最後に:収めた年金が無くなっていく賦課方式とは
どうでしたか?
「収めた年金が無くなっていく賦課方式とは」に関して記載しました。
我々、現役時代からすれば、折角収めた金額は、現在の高齢者の方たちに使用されて行き、自分が年金を受給できる時には、今受給している高齢者の方より年金額が少なくなるのは納得いきません。
今、政府としても、少子化問題など色々と対応をしてくれているのも事実です。
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なので、とっとと、少子化対策をしていただくか、日本の海に眠っていると言う資源を掘り出し、日本と言う国を豊かな国にしていただきたいです。
その為に税金を使われることは納得します。
少しくらいなら増税も我慢します。
しかし、よくわからない利権や団体の為に税金が使われて行くことは納得できませんので、そこはよろしくお願いします。
皆さんは、どのようにお考えでしょうか?
ご意見があれば、聞かせてください。
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