●2023/7/12に一部記事を更新しています。
会社員の扶養である専業主婦(第3号被保険者)は、国民年金を納めていませんが、年金受給開始年齢である65歳を迎えると老齢基礎年金(国民年金)受取ることができます。
そのため、自営業の主婦や共働き夫婦からは、第3号被保険者である専業主婦は「ずるい」「不公平」と言われています。
特に、自営業の主婦や共働き夫婦からは、
■私は年金を納めているのに
■なぜ、会社員の奥さんは納めなくてよいのか
と言う発言があり不公平感が否めません。
しかし、 専業主婦(第3号被保険者)の年金に関して言えば、専業主婦が「私はずるいの?」と考える必要はありません。(不公平と言う考えだけは否めません。)
また、第3号被保険者である専業主婦は、健康保険料を納めていなくても、健康保険証は受給でき、病院での診察料は、「3割負担」で受診することが出来ます。
さらに、40歳になっても介護保険料を納めませんし、国民年金を納めていなくても、年金の受給年齢(65歳)になれば、老齢基礎年金※を受取ることが出来ます。
※老齢基礎年金は、国民年金を満額納めていた場合(20歳~60歳になるまでの間)、令和5年4月以降は
66,250円(月額)
を受給することが出来ます。
そのため、第1号被保険者である自営業の主婦から専業主婦は優遇されすぎと考える方が多くいるのも事実です。
しかし、専業主婦は、健康保険や国民年金、介護保険に関しても納めたくても納めることが出来ません。
また、法律的に納めなくても良いにもかかわらず、専業主婦は「ずるい」と言うことは間違っています。
なぜ、国民年金保険料を納めていないのに、65歳から老齢基礎年金を受給できる専業主婦がずるくない理由を以降に見ていきます。
詳細は以降に記載します。
以下目次です。
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目 次
前回は、
老後に働きながら年金を貰っても損をしなくなる?在職定時改定とは
に関して記載しました。
記事の内容に興味を持たれましたら下記のリンクから確認してみて下さい。
◆◆◆ 前回の記事 ◆◆◆
専業主婦の年金は誰が払っているのか
会社員の扶養である専業主婦が納めるべき国民年金保険料は、誰が納めているかと言うと
■厚生年金に加入する会社員と企業(労使折半)
で納められています。
良く勘違いされる話なのですが、専業主婦の年金保険料は、厚生年金に加入している旦那さんが納めていると勘違いされますが誤りです。
そのため、専業主婦の年金保険料は、厚生年金から納められているため、65歳から年金を受給できるのはずるいと言われる筋合いはありません。
また、専業主婦が年金保険料を納めないために、国民年金の財源が圧迫しているとも言われますが、専業主婦は全く関係なく国民年金の財源が圧迫している理由は、
■高齢化が原因
であり、専業主婦は関係ありません。
何度も言いますが、専業主婦の国民年金保険料は、厚生年金→国民年金へ納められているため、国民年金の財源が圧迫されるから年金を納めろと言われる筋合いはありません。
そのため、第1号被保険者(自営業)の主婦から専業主婦は「ずるい」と言う話は、見当違いな話です。
しかし、厚生年金に加入者している独身者や共働き世帯からは
■なぜ、私たちか専業主婦の面倒見なきゃいけないの?
と言う話が出てきているのも事実です。
そのため、厚生年金を真面目に納めている共働き世帯や独身者からは、専業主婦を優遇する制度である第3号被保険者制度は不公平、ずるい!と思われているのかもしれません。
そんな優遇をするくらいであれば、馬鹿高い社会保険料を「減額してくれ!」と言いたくなる気持ちは十分に理解できます。
しかし、労働組合の中央組織の連合である芳野友子会長が2023/6/15の会見で、年金の第3号被保険者制度について
■不公平な制度ではないか
と言う発言もあり第3号被保険者制度が廃止されるのではないかと言う話が話題となっており、今後も現状の第3号被保険者の制度があり続けるかは疑問です。
それでは、なぜ、専業主婦を優遇する第3号被保険者制度が今のような制度になったかを以降に記載します。
国民年金の今までの流れ
年金制度の話になりますが、国民年金は、昭和34年4月から開始されており、この時点では、「国民年金の加入は任意加入」でした。
その後、
昭和36年4月から20歳~60歳になるまで、厚生年金・共済年金に加入していない人たちが国民年金に強制加入することになります。
しかし、
会社員や公務員の奥さん(専業主婦)、学生の強制加入は対象ではなく、任意加入と言う状態が続きます。
一旦、学生の話はおいておきますが、厚生年金と言う年金は、
家族(扶養者全員)をひっくるめた社会保障と言う考えです。
そのため、奥さんが国民年金に加入していなくても旦那さんの厚生年金で老後の生活が行なえる時代であったのも事実です。
今でも受給することができますが、年金の家族手当と言われる加給年金を受給することもできます。
加給年金の詳しい内容に関しては、過去にも記事を記載していますので興味がある方は記事を確認してみて下さい。
しかし、専業主婦も生涯夫婦でいればいいのですが、「熟年離婚」した場合は、そうはいっていられません。
離婚をしてしまった場合、今まで国民年金を納めていなかった専業主婦は、老後の年金を受給できなくなり、老後の生活は非常に厳しいものになります。
また、専業主婦は、国民年金を納めていないばかりに離婚をしたくても離婚すらできない環境でした。
このような無年金状態の専業主婦を打破するために、1985.4.1から第3号被保険者制度ができ、会社員の扶養である専業主婦も国民年金に加入できることになりました。
この時に、専業主婦の財源を確保する目的で、
厚生年金の保険料を増額(10.6%→12.4%)し、専業主婦の財源を確保しています。
そのため、専業主婦は、第3号被保険者(国民年金に加入)となり、 65歳から社会保険料(国民年金)を納めていなくても老齢基礎年金を受給することが可能になりました。
この時の「保険料の増額」について、世間一般に認知されていないため、
■専業主婦は国民年金を納めていないのに老齢基礎年金(国民年金)を受給できるのは「ずるい」
■専業主婦のせいで国民年金の財源がひっ迫している
と言われる始末です。
このような内容を、政府や日本年金機構がもう少し世間一般に認知されるように努力するべきではないでしょうか。
専業主婦の今後の流れは?
しかし、いつまでも専業主婦の優遇制度である第3号被保険者制度が存続していくのかは疑問です。
過去に第3号被保険者制度の廃止に関しての記事を記載していますので興味を持たれましたら確認してみて下さい。
現在は、パートや短時間労働者の方が厚生年金加入をできるように制度が緩和されて来ています。
期間としては、2022年、2024年に企業規模の要件を変更し、専業主婦を厚生年金に加入しやすいように制度を緩和しているのが事実です。
この制度は、企業規模の要件(社員数)を変更している為、中小企業などの負担は非常に大きくなります。
そのため、これ以上の企業規模の緩和は、
企業負担が増えるので、これ以上の緩和はないのではないのかと考えられます。
今回の制度の緩和に関しては、「扶養控除:106万円の壁はいつから?」でも記載していますので内容に興味のある方は確認してみて下さい。
●企業の負担が増える理由
会社員が加入する厚生年金は、厚生年金加入者と企業が折半し納めるため、企業としては厚生年金加入者が増えれば増えるほど、企業が納める保険料が増え、企業の負担が増加します。
そのため、企業の体力(資産)が少ないところは、厚生年金加入者が増えることにより、企業自体の負担が増え、下手をすれば倒産してもおかしくない状態になります。
年金の改正法案に関しては、過去に記事を記載していますので興味があれば参照してみて下さい。
今後は、専業主婦優遇を嫌ってか専業主婦の年金を半額・廃止の話(報道)も出てきています。
そのため、専業主婦優遇である第3号被保険者制度がこのまま続いて行くかは疑問です。
Googleなどで検索してみても、専業主婦は「社会保険料を納めていないのだから納めるべきだ」と言う考えの様です。
実際にそのようなことは、ないはずなのですが。。。
今後、専業主婦の優遇制度である第3号被保険者制度はどうなるか分かりませんが、制度変更や廃止がされてしまうかは、注目する必要があります。
■第1号被保険者:1,431万人(-18万人)
■第2号被保険者:4,536万人(+2万人)
■第3号被保険者:763万人 (-30万人)
※かっこの中は、前年からの差
となっています。
第3号被保険者である専業主婦(夫)に関しては年々減少しており専業主婦の需要は減少しています。
また、
共働き世帯と専業主婦夫婦の割合になりますが、厚生労働省が公開している「令和3年版厚生労働白書」から分かるように、
■共働き夫婦が年々右肩上がりに推移
■男性雇用者と無職の妻からなる世帯は年々右肩下がりに推移
していることが分かります。
引用:厚生労働省 令和3年版厚生労働白書
そのため、第3号被保険者の対象者は年々減少しています。
今後、選挙にて第3号被保険者制度の民意を問われた場合、数の暴力で
■第3号被保険者制度を廃止
■専業主婦は国民年金を納めろ
と言うことになるかもしれません。
これは私の私見ですが、専業主婦に国民年金険料払わせるのであれば、便乗してあげた厚生年金の保険料(1.8%)は減額するべきです。
減額しなければ、第3号被保険者である専業主婦は、国民年金の2重取りをされることになります。
専業主婦に関して言えば、親の介護や子育て、病気などで働けない世帯もあり、このような世帯では、ただの増税となり、生活が厳しくなることになります。
会社員が納める厚生年金は、国民年金と比べて保険料が高く、さらに、給与だけでなく賞与まで、厚生年金の保険料が取られる始末です。
働けば働くほど馬鹿を見る厚生年金の仕組みは、会社員からしてみれば勘弁してもらいたいです。
最後に:専業主婦が年金を受給できるのは「ずるい」?
今まで記載してきましたが、
専業主婦の国民年金保険料は、会社員が加入している厚生年金から納付されています。
その為、第3号被保険者である専業主婦は、第1号被保険者(自営業やフリーランスなど)から年金を納めていないのに将来受給できるのは、「ずるい」と言われる筋合いはありません。
しかし、厚生年金加入者である共働き世帯や独身者からは、なぜ、私たちが肩代わりしなければいけないの?と言われているのは事実です。
この年金制度を考えた場合、どうしても年金老後に受給する老齢年金制度だけに目が行きがちですが厚生年金には、老齢年金制度以外に
■ 病気やケガをした場合の障害厚生年金
■ 加入者が亡くなった場合の遺族厚生年金
の制度もあることを忘れてはいけません。
要するに、この年金制度は、厚生年金加入者全員で助け合いを行っている制度です。
そのため、専業主婦だけに「ずるい」と言う前に、年金制度とはどういうもので、どのようなものなのか、今一度、考えてみてはどうでしょうか。
共働き世帯や独身者でも「結婚」「子供の育児」「親の介護」または「病気」などである日、突然、自分が専業主婦(夫)になるかもしれません。
そのため、一時の気持ちで廃止すればよいなどと考えるのは、いかがなものかと思います。
また、最後になりますが、第3号被保険者である専業主婦は国民年金を納めていませんが65歳になると
老齢基礎年金(満額:約6.5万円(月額))を受給できます。
しかし、老後に優雅な生活を送りたいと考えると老齢基礎年金の6.5万円では、
非常に心もとない金額です。
実際に高齢者世帯を見ても老後の生活費が不足し老後破綻をしてしまい 生活保護を受ける高齢者が増加しています。
平成10年から令和4年まで(24年間)の間に、高齢者の生活保護世帯数が約3倍も増加しているデータが出ています。
そのため、専業主婦と言えども家計に余裕があるのであれば、老後の資産運用を行うことで、老後破綻をしないようにつみたてNISAやiDeCo(イデコ)で資産運用を行っていくことを検討すべきです。
特に、2024年度には、新NISA制度が始まり、NISAの恒久化と非課税期間の無期限化が開始されますので、詳しい制度の内容に関しては、金融庁の「新しいNISA」から参照して下さい。
また、NISA制度を利用し積立て投資を行った場合、長期で運用を行えば行うほど資産は上昇すると言われています。
■短期※:元本割れを起こす可能性がある
■長期※:運用成果が2%~8%となる
※下記の図では、短期の保有期間は5年未満、長期は、20年で記載
と記載があります。
そのため、なんであの時に投資をしていなかったのかと考えても、遅いので今のうちから証券口座を作成し、つみたてNISAで資産運用を行ってみるのはどうでしょうか。
つみたてNISAでは、株の取り引きのような駆け引きなどが無いため、ある日突然資産が倍になるようなことはありません。
こつこつと積立てを行うことで、資産が増えていくと言う考えのため、まったく、面白みがないと言うデメリットはあります。
短期で見れば見れば、積立てたお金よりも資産がマイナスになることはありますが、長期で運用することで資産は確実に成長してきます。
投資は面倒だからなどと考えずに、始めることが重要です。
1年後や5年後を見るのではなく、20年、30年の長期運用を考え資産運用をしてみてはどうでしょうか。
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お金は寝かせて増やしなさい
将来受給できる年金額が少ないと感じているのであれば投資信託のインデックス投資を検討してみては!
本のタイトル通りですが、「お金は寝かせて増やす」素晴らしい言葉です。
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松井証券で取り扱う投資信託は、ノーロード(購入時手数料無料)と低コストを意識した商品でラインナップされています。投資信託を始めたいと言うのであれば、松井証券で口座開設を行ってみてはどうでしょうか?
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一点注意してほしいのは、専業主婦は、税制面の免除を受けることが出来ないので、
iDeCo(イデコ)をお勧めしませんが、余剰金があるのであれば、つみたてNISAを検討してみるのも良いと考えます。
皆さんは、どのように思いましたか?
コメントがあれば、よろしくお願いします。
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はっぴー@happyoldage
趣味で始めたFPの資格取得からブログを書き始めました。
記事の内容に関しては、うそを記述しているつもりはありませんがこれはなどの話があれば、コメントをください。
皆さんの幸せのお手伝いができれば幸いです。
本記事は、2023.7.12で、一部記載内容を更新しています。
最終更新日:2023.3.12,2022.9.14、2022.8.10、2022.8.3、2022.7.20、2022.6.28、2022.5.9、2022.4.3、2022.4.27
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