前回は、2024年に制度が変更されるNISAに関しての記載をしましたが、今回は、このコロナショックの中で、ひっそりと成立した年金改正法に関して記載します。
前から改正法案の内容は出ていたので、ひっそりとではないですが。。。
◆◆◆ 前回の記事 ◆◆◆
今回の年金改正法案ですが、ネットニュースでは、良い改正と見受けられるに記事を読みました。
しかし、私だけなのかもしれませんが、改めて年金改正法案を見ても、
「採取できるところから年金を採取する」
「年金受給年齢を引き上げたい」
と言う意気込みが読み取れます。
考えすぎなのかもしれませんが、今回改正された法案の内容を確認してみて下さい。
以下目次にします。
今回変更された年金改正法とは
2020/5/29に改正された年金改正法は、主に下記の4点が改定されました。
※細かなものが多数ありますが、今回は主な4観点に絞って記載します。
【1】パートや短時間労働者の厚生年金加入の緩和
【2】在職老齢年金の上限月収の緩和(28万円→47万円)
【3】年金繰下げ支給の年齢引き上げ(70歳→75歳)
【4】確定拠出年金の加入可能年齢の引き上げなど
変更される具体的な改正内容
それでは、2020/5/29に改正された年金改正法に関して、詳細な改正内容を記載します。
パートや短時間労働者の厚生年金加入の緩和
◆◆◆ 改正内容 ◆◆◆
パートなどで働く短時間労働者の低賃金対策として、厚生年金に加入しやすいよう、加入条件のうち企業規模の要件を変更。
変更内容は、現行は、501人以上であったものを、以下のように段階的に引き下げ、厚生年金の適用者を拡大するすることになっています。
・2022/10月に「101人以上」
・2024/10月に「51人以上」
厚生年金の拡大に関しては、パートや短時間労働者の方が厚生年金に加入できる条件を緩和しています。
その為、パートや短時間労働者の方は、厚生年金に加入することができ、老齢給付、障害給付、遺族給付などが手厚い保障を受けることが可能になりました。
しかし、厚生年金の加入条件を縮小したことにより、厚生年金の加入者は増加しますが、企業側の保険料負担も増加します。
厚生年金は、加入者と企業側で保険料を賄っています。
その為、企業側では、今まで支払わなかった保険料が増額すると言う負担が増えることになります。
政府としては、今後も適用要件の緩和を行いたいと思いますが、さすがに、このままでは、中小企業の保険料負担が増加し企業側の負担が増加されます。
下手をすれば、企業の雇い止めや倒産などの恐れもあり、これ以上の厚生年金の加入要件緩和は、難しいのではないでしょうか。
在職老齢年金の上限月収の緩和(28万円→47万円)
在職老齢年金制度は、60歳以降の労働を促すための制度なのですが、なぜか、年金と会社の収入額が一定の金額を超過すると、受給できるはずの年金が一部停止されてしまうと言う不思議な制度です。
現行制度では、60歳から64歳までに年金と給与で月額28万円を超えた場合、年金額を一部支給停止されてしまいます。
その為、特別支給の老齢厚生年金を受給している人の労働意欲をそぐ結果となってしまいました。
今回の改定により、60歳~64歳までの方は、月額28万円であった上限が65歳以上と同様に月額の金額が、47万円に引き下げられました。
2022/4/1から施行される為、2022/4月からは、「特別支給の老齢厚生年金を受給している方」や「年金の繰上げ支給」などの年金額を受給されている方は、年金受給額と会社の給与の合計で47万円を超えなければ、年金を一部支給停止など行われなくなります。
その為、60歳から年金と給与を貰ってもほとんどの方は、問題が無くなるのかもしれません。
詳細の改正内容は、過去にも記事を記載しましたので参照して下さい。
◆◆◆ 関連記事 ◆◆◆
年金繰下げ支給の年齢引き上げ(70歳→75歳)
年金の受給に関しては、原則65歳から受給になりますが、年金の繰上げ支給を請求すると最大60歳から年金受給を行うことができます。
また、年金の繰下げ支給を行った場合、現状、70歳が上限でありましたが、今回の改正により、年齢の上限が2022/4/1から70歳→75歳に改正されます。
(改正前)70歳まで年金を繰下げた場合
・65歳から受給できる年金受給額に1.42を乗算した金額が70歳から受給できます
(改正後)75歳まで年金を繰下げた場合
・65歳から受給できる年金受給額に1.84を乗算した金額が75歳から受給できます
上記の金額を見ると、ものすごくお得に見えますが、実際の会社員は働けたとしても65歳までです。
現行の70歳に関しても、空白の5年間をどうするかと言う考えがありましたが、改定後は、空白の期間が10年間となっており、正直現実味を感じません。
そもそも、現行の繰下げ支給を利用している高齢者の方は、ほとんどいません。
その為、70歳から75歳に変更する理由が良くわかりません。
年金の受給年齢を65歳から70歳に引き上げたいのかと勘ぐってしまいます。
また、H30年のデータになりますが日本人の健康寿命(体に支障がなく生活できる年齢)は、下記の通りです。
日本人の健康寿命(H30年)
・男性:72.14歳
・女性:74.79歳
75歳から増額された年金を受給できても、健康的な生活ができないのであれば、年金が増額されてもなにも意味がありません。
そもそも、お金は、お墓に持ってはいけません。なので、必要な改正だったのか疑問を持ちます。
今回の繰下げ支給の上限年齢の改正に関しては、過去にも記事を記載しましたので参照して下さい。
◆◆◆ 関連記事 ◆◆◆
確定拠出年金の加入可能年齢の引き上げなど
確定拠出年金の加入可能年齢の引き上げが、2022/5/1から改正されます。
改正される内容は、以下に示す。
・企業型DC 65歳→70歳
・iDeCo 60歳→65歳
確定拠出年金における中小企業向け制度の適用を拡大するものとして、現在の従業員の規模が、100人以下から300人以下に改正される。
上記を考えると、中小企業向け制度の人員要件の規模を改正されたことにより、確定拠出年金の適用者が増加することが考えられます。
確定拠出年金は、老後の公的年金以外の給付になる為、老後の収入が増えることになります。
また、加入条件の上限が緩和されています。
これからの高齢化社会を考えていけば、上限の緩和は、やむを得ないのかもしれませんが、年金受給額を今後延長させるための、布石のようにしか考えられないのは、私だけでしょうか。
最後に:年金改正法に関して
どうでしたか?
今回の年金改正法に関しては、ニュースなどを見ても、国民目線でお得感があるように見受けられます。
しかし、よくよく考えると下記のような考えではないかと勘ぐってしまいます。
・とれるところ(パートや短時間労働者、企業側など)から税金を採取
・在職老齢年金制度の月額収入の緩和で高齢者にも働いてもらい税金を採取
・年金受給年齢の引き上げをする地盤作りの一環での各種上限年齢の緩和
それも、このコロナショックで、ばたばたしているときに、成立させています。
上記の内容は、言葉が悪いですが法案の内容は前から出ていたので、たまたま、コロナの時期だったとは思います。
年金関連にしてみれば、少子化が進んでいる為、「年金を払っていない人に払わせる」「高齢者は、これから増加するし、働けるうちは年金払え」と言う考えは、わからないでもありません。
しかし、
・本来払わなければいけない人が払っていない
・今の高齢者は、何故か多く受給できている
・私たちが老後を迎えても今の高齢者の金額は受給できない
・そもそも、こんなに政治家いるの?
など、税金などの近い道を見直すところはあると思います。
農民の年貢のように、税金を採取するのもいいですが、できれば、将来の為になるものに税金を使っていただきたいです。
皆さんは、どのように思いましたか?
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